上司、部下とは距離をおきたい人が多数派!

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あはは。私にも苦手な人はいますよ(笑)。困ったな……と、保留にしているリクエストもあります。昔はリアルの友達だけを承認していましたが、今は、上場企業の社長という私自身のポジションと、ソーシャルメディアの盛り上がりを受けて、基本的には「お会いして覚えている人」というのを承認基準にしています。そんなふうに、自分で承認のガイドラインをつくることが大切だと思います。

ソーシャルメディアには、つくり手側の意図が必ずあります。アメリカで昔から流行しているLinkedIn(リンクトイン)は、実名だけでなく職務経歴などを掲載する仕組みで、人材交流やリクルーティングなどの用途に使われています。一方で日本の2ちゃんねるのように無記名で言いたいことを言うメディアもあります。

Facebookは、LinkedInよりはフランクなメディアです。もともとハーバード大学内の友人同士の交流から始まったということもあり、ある程度リアルの友人関係を前提としているように思います。

ところが、そうしたつくり手側の意図とは違う使い方をしたい人が増えれば、メディアの性格も変わってきます。ソーシャルメディアの主役はソーシャルであり、どう使うかは、使い手側に委ねられているからです。

そこで、友人ではなく上司からリクエストが……という事態も発生するのですが、それが嫌だと思うなら保留にすればいいのです。使い方は個人の裁量に任されているのですから、仲のいい人たちと交流したり写真を共有したりといった使い方をすると決めたら、それ以外のリクエストは保留にするか無視するかでいいと思います。

私は誰かをブロックしたことはありませんが、本当に嫌だと思ったらブロックすればいいと思いますよ。Facebookはそういうふうにつくられているものですから。

■断った上司から理由を問われたら

もしも断った理由を上司から聞かれたら、自分の承認基準を伝えればいいと思います。「私はFacebookを、ごく親しい友達とだけ交流するツールとして使っていますので、会社関係は遠慮させてもらっています」と言えばいいんじゃないですか。あまり神経質になる必要はありません。

私の場合、お客様やパートナーさん、あるいはパーティでお会いした人など、「リクエストしていいですか?」と聞かれるので、近しい友人ではないけれど、プロフェッショナルもパーソナルももっと知りたいという善意の意思を示してくれているとして、承認するようにしています。承認基準を変えず、きっぱりと断る人もいるのでしょうが、私はヘナチョコな性格なので「ダメ」とは言いません(笑)。ただ、名前だけでリクエストされても個人が特定できなくなるので、「お会いした場所を書いておいてくださいね」とお願いしています。リクエストする側にも求められる常識かと思います。

オフィシャルな相手と交流するようになると、会話がですます調になり、内容も自分のキャラクターを出さない面白味に欠けたものになっていきます。

どうしてもリクエストを断れない人は、友達をグループ分けすることです。きちんとカスタマイズすれば、それぞれと違う会話を楽しむことができます。

これは少々面倒ですし、ある程度Facebookを使いこなす必要がありますが、断れない、その後の人間関係が心配というのなら、まずはカスタマイズの機能を使い込むこと。これに尽きます。

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ネットイヤーグループ 代表取締役社長兼CEO 
石黒不二代
名古屋大学経済学部卒。米スタンフォード大学MBA。2000年より現職。著書に『言われた仕事はやるな!』がある。

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(ネットイヤーグループ 代表取締役社長兼CEO 石黒不二代 構成=野上勇人 撮影=的野弘路)