「大学の後輩」「幼なじみ」との恋愛が合理的!

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■合理性を追求して生まれる第3の案

あまり感心しない相談ですが、一定の需要がありますので、既婚者なのに職場で恋愛をしてしまっている方から相談を受けたとして、その方を弁護する立場でお話をさせていただきます。

生物学的に男性は自分の遺伝子をできるだけたくさん残そうとするため、浮気に走りやすい傾向があるといわれています。そのため、一夫一妻制を是とする日本社会では、男性が圧倒的に不利な立場に法律上置かれていると考えてまず間違いありません。

楽しいのは最初だけ、あとは不倫相手と自分の家族の挟み撃ちにあう地獄の日々が待っていると知っていても、気がつくと女性を口説いてしまうという男性は多いようです。こういった相談事を受けていると、すべての男はチャンスがあれば必ず浮気をするのではないかという実感すらあります。

私の弁護士としての経験則では、浮気がバレても夫の経済力に妻が依存している場合、ほとんどのケース、特に子供がいる場合には、妻は生活の安定を選ぶことが多いので、離婚にはなかなか至りません。しかし、不倫が発覚すると、配偶者や子供を傷つけてしまいますので、するとなれば、まずは恋愛(不倫)が他人にバレないように細心の注意を払うべきです。

ほとんどのケースで浮気は携帯電話から発覚します。携帯電話には学習機能が付いています。つまり、「あ」と入力しただけで「愛してるよ」など自分の妻にはめったに使わない言葉が出てくるのです。そのため、浮気相手とのコミュニケーションはできるかぎり音声のみで済ませ、電話が繋がらない場合には、必要最低限のメッセージを留守番電話に入れるだけにするなど、目に見える文章として証拠を残さないことが第1のポイントになります。ただし、自家用車に配偶者が音声レコーダーを仕掛けて浮気の証拠を掴もうとしていることもザラです。私が逆に配偶者の方から相談を受けたら、乗車中に浮気相手に電話をする方は非常に多いので、その方法をお勧めすると思います。現在の録音機は性能が向上しており、車内の音を1日中きれいな音質で録音することも可能ですので、くれぐれもご注意ください。

しかし、職場での恋愛はやはりお勧めできません。特に職場不倫では関係が破綻した後に泥沼化すると左遷され、一生を棒に振る可能性が生じます。心理学的に考えれば、男性が性欲を抱く相手は不特定多数です。浮気をする気持ちは抑えられなくても、浮気をする相手は選ぶことができるはずです。

結局、発覚した場合のリスクが大きいにもかかわらず、多くのサラリーマンが社内恋愛にはまりやすい要因は、恋愛が発展するまでの費用対効果が一見すると大きいことにあります。

一例を挙げるとすれば、浮気相手とランチを口実にデートできるため、ディナーと比べて費用・時間の面で融通が利きやすいといったところです。ランチで1人1500円も出せば女性から見てかなりいい男性であることをアピールできます。食事を重ねる回数が増えれば自然と相手を知って情が深まるというものでしょう。

一方、社外恋愛は、泥沼リスクは低いものの、高価なディナー、おしゃれなデートコースなど何かとお金がかかり、サラリーマンのお小遣いでは負担することがなかなか難しく、時間的な制約からも非常に厳しい現実があります。

ではどうするか。小中学校時代の幼なじみ、高校・大学の同窓会・部活動・サークル・ゼミの同期、後輩などを相手に選択することは、相対的に経済合理性に適っていると思います。というのも、配偶者が自分の過去の学校生活等を知っているケースは少なく、つまり不倫が発覚する可能性が低く、他方、自分は昔から相手をよく知っていることが多く、情報収集に費用がかからないなど多くの利点があるからです。

もちろん私が反対の立場で助言をするならこう言うでしょう。

「(夫の)同窓会に気をつけよ」と。

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弁護士、城南中央法律事務所所長 
野澤 隆
1975年、東京都大田区生まれ。都立日比谷高校、早稲田大学政治経済学部政治学科卒。弁護士秘書などを経て2003年司法試験合格。08年城南中央法律事務所を開設。

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(弁護士、城南中央法律事務所所長 野澤 隆 構成=飯島豊 撮影=小原孝博)