兵庫県発祥・イトメンの「チャンポンめん」、なぜ石川県で愛されている?

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石川県の家庭に必ずと言っていいほど常備してある即席麺がある。それは、兵庫県にある麺類製造会社 イトメンの「チャンポンめん」だ。現在、名古屋・北陸以西を中心に販売されているが、なぜか石川県で高い人気を誇っているんだとか。その謎に迫ってみた。

昭和38年(1963)に発売された「チャンポンめん」は、今年で51年目を迎えるイトメンの看板商品。無塩製麺を使ったあっさり味の即席麺だ。

「チャンポンめん」と聞くと長崎ちゃんぽんを思い浮かべる人が多いかもしれないが、姿や味は全く異なる。ちゃんぽんには「複数のものを混ぜ合わせる」という意味があるが、イトメンの「チャンポンめん」は、様々な具材を入れて食べてほしいという願いをこめて命名されたそうだ。

そんな「チャンポンめん」の石川県での売り上げは全体の3割。イトメンの地元・兵庫県と並ぶシェアだと言う。なぜこんなにも人気があるのか。イトメンに話を聞いてみた。

石川県での「チャンポンめん」人気は、発売当初からだと言う。各販売地域では営業マンがそれぞれに売り込みに力を入れていたが、中でも石川県は初めから好評だったとか。その人気に応えるように営業が更に力を入れ、50年間コンスタントに売れ続けているそうだ。

その理由を聞いてみたところ、イトメンでは「石川県の皆さんの好みに合っているからではないか」と推測しているそうだ。

「チャンポンめん」はタンメンのような優しい味のスープに、エビとしいたけのかやくを加えて作る。このエビとしいたけの香りとうまみがいいダシになって、風味豊かな一杯ができあがる。元々はイトメンの地元である関西の人が好むようにと薄味で開発されたそうだが、意外にも石川県民の口にも合い、定着していったようだ。

ただ、石川県民に聞くと、理由は他にもあるようだ。まず、「小さい頃から慣れ親しんだ味だから」と話す人が多い。約50年前、発売当初の子供たちが「チャンポンめん」を食べて大人に。自分の子供にも食べさせ、その子供が更に子供に食べさせ、「即席麺と言えば、チャンポンめん」が当たり前になっているのだ。

昭和50年代には、パッケージに五円玉が封入されるキャンペーンが行われ、高い確率で当たると評判になったことがある。当時としてはかなりインパクトが強かったようで、「子供の頃、5円玉が当たってうれしかった」と昔を懐かしみながら語る人も多い。遊び心のあるキャンペーンが、子供たちを中心に更にファンの心をつかんだようだ。

また、「よく目にするからよく購入する」という声も。「チャンポンめん」はスーパーなどの特設売り場に大量陳列されていることが多く、ついつい買ってしまうのだとか。イトメンによると、「石川県では問屋や小売店の方にもファンが多い」という。そのため、販売にも力が入ることになり、業者さんの熱い思いも売り上げアップを後押ししているようだ。

このように、石川県ではすっかりおなじみの「チャンポンめん」。その魅力は、一体どこにあるのだろうか。

リサーチをしてみたところ、まず、「ダシの利いたあっさり味」を挙げる人が多かった。山海の幸をふんだんに取り入れた加賀料理や新鮮な魚介を使った寿司など、上品な和食が根づいているからか、麺にもあっさりした上品な味わいを求めるのかもしれない。この点は、イトメンが推測する人気の理由と同じ。やはり味がポイントのようだ。

ちなみにイトメンでは、石川県で人気が高い商品がもうひとつあると言う。それは、乾麺の「二八そば」。発売から40年以上のロングセラーで、夏が近づくとグッと注文が増えるそうだ。のどごしさっぱりの細麺と甘めのめんつゆが特徴。この「二八そば」の人気ぶりを見ても、石川県民があっさりとした味を求める傾向がうかがえる。