ANA客室乗務員(CA)として12年。500万人のお客様の対応で気づいた、行動・言葉・気づかい・テーブルマナー・習慣とは?テレビ、新聞でも紹介された「100%好かれる1%の習慣」。第16回目は【4つの「聞く力」で、圧倒的に信頼される人になる】です。

人は「ただ自分に同意してほしい」
「自分の気持ちを理解してほしい」と思うもの

 新人CAだったとき、私の未熟な対応が、お客様を不愉快にさせてしまったことがありました。

 あるお客様から「座席前ポケットが使いにくい」との、ご指摘をいただきました。
 搭乗中の機体は新型で、座席前ポケットは従来のようなゴムではなく、プラスチック製。ゴムのように収縮しませんし、ポケットには機内誌などが用意されていたため「少ししかものが入らないので、不便だ」とおっしゃるのです。

 そこで「機内誌をお預かりすれば、お客様がお持ちの雑誌が入る」と考えた私は、次のようにお詫びをしました。

「もし機内誌をお読みにならないのでしたら、私がお預かりします。機内誌をお読みになるときは、すぐにお持ちしますので、こちらの呼び出しボタンを押していただけますか?すぐに機内誌をお持ちします。飛行機の設備のことなので、いますぐ改善するのはむずかしいところではございますが、お客様のご意見として、必ず上の者に申し伝えます。大変、申し訳ありませんでした」

 ところが私のこの対応に、お客様は眉をひそめ、そして、声を強めて、こうおっしゃいました。

「僕が『使いにくい』と言ったときに、どうして『そうですね』と言えないのですか?あなたのお詫びは、私の気持ちに寄り添ってない。事務的ですよ。表面的に反省の言葉をならべられても、嬉しくありません!」

 お客様からご指摘を受け、私はハッと気がつきました。

 このお客様は、「使いにくいポケットを改善してもらいたかった」わけではなく、「ただ自分に同意してほしい、自分の気持ちを理解してほしい」と思ってらっしゃったのです。その気持ちを受け止めずに、「ただお詫びをしただけ」の私に、お客様はがっかりなさったのでしょう。

 人は、自分に「同意、共感、理解、賛同」をしてくれる他者を味方だと感じ、好意を抱きます。

 私がひと言、「そうですね、本当に、使いにくいですね」と共感を示していたら、お客様の態度は変わっていたでしょう。当時の私には、「相手の立場になって聞く力(共感する力)」が、まだまだ、足りていませんでした。

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