円安メリット株BEST20 自動車株、半導体株、電子部品…etc.の総合ランキング
異次元緩和で急加速した円安。日本が誇る輸出企業にすれば、黙っていても円建て換算の利益が増えるので、今期2〜3割増益は当たり前。それ以上のサプライズ増益で株価の急上昇に期待できる円安メリット株の条件とは?


円高抵抗力株を狙うか、不振業種のV字回復に乗る!

急速な円安で潤う外需産業といっても間口は広い。いったい、どの銘柄が最強といえるのか?

岡三証券投資戦略部の高山周作さんは、「外需株を狙う場合、円高でも頑張ってきた企業が円安でさらに躍進するという切り口と、円高で苦戦してきた企業が円安でV字回復するという切り口の2つがあります」と分析。「最も安全なのは、円高局面でも業績が好調だった。海外生産を推し進め、どこで生産して、どこで販売すれば利益が一番出るかを迅速に判断できる経営基盤を持った企業といえるでしょう。コマツ、ブリヂストン、日産自動車などがその代表例といえます」

今期の想定為替レートは1ドル=95円前後が平均水準。しかし実際の為替レートは1ドル=105円、110円が視野に入っている点も追い風だ。「自動車や電機、機械など海外売上高比率の高い外需セクターは今期3割増益が当たり前。とはいえ、為替の推移は日々の株価に織り込まれているので、中長期投資するなら企業そのものの製品競争力に注目すべきです。円安・ユーロ高が進んでいる状況からすれば、ドイツメーカーがライバルの機械や重電分野で日本企業の国際競争力が回復するはず。そうなると三菱重工業、三菱電機、アマダなどが世界シェアを拡大できそう。北米市場で韓国の現代自動車とガチンコ勝負を繰り広げているホンダには、円安・ウォン高が追い風に」



※キヤノンは12月期決算、それ以外はすべて3月決算。コマツの影響額は1〜3月期の営業利益で計算し、それを4倍にした数値。京セラは税引き前利益で計算。

さらに、業績と株価のV字回復を狙うなら、景気循環の谷底から底打ち反転しつつある業種を狙うのがベストだ。「尖閣問題による中国販売の減少で自動車向け半導体などは昨年以来、落ち込みが激しい分野でした。しかし3月に入って在庫調整が一巡。自動車関連のベアリングや半導体を手がけるTHKや村田製作所などは、景気循環的にも買えるタイミングになっています」と高山さん。

円安によって国際競争力を増強した優良企業、業績底打ちに期待できる半導体、自動車部品セクターこそ、外需株の2大最強分野だ。



1位 THK
幅広い顧客基盤が強み。海外への生産移管が商機に

日本電産が「回転するものなら何でも作る」のに対して、この会社は直線状に動く機械なら何でも作る。用途は産業用機器や免震装置など多彩。半導体、自動車、機械など業界で見ても顧客基盤は幅広い。

今後、日本企業の海外工場強化が加速すれば、工場に据え付ける機械の調達も必要になり、THK製品の販売も伸びるという寸法だ。4月に社債発行を決めているため、大型の設備投資が予想される。



2位 日機装
航空機エンジン部品に期待。円高でも黒字維持の実力企業

精密ポンプと人工透析装置など医療用精密機器の2本立てで会社が回っている。高い精度の要求される航空機エンジン部品分野にも進出し、第3の収益の柱として期待されている。海外売上高比率は40%台だが、遠からず50%を超えるだろう。円高局面でも黒字を維持したことからわかるように、競争力は高く、有利子負債の圧縮が進めば、大幅な増配もありそう。中国での人工透析装置の需要拡大に期待。



3位 クラレ
自動車用樹脂製品が拡大。時価総額増大で機関投資家が…

稼ぎ頭のLCD用フィルムの改良でシェア奪回期待が高まっていることが最大のポイント。自動車用樹脂製品も拡大しており、他分野の伸び悩みをカバーしている。タイヤのグリップ力向上に使う特殊ゴムも、投資家の関心を集め始めているようだ。個人投資家にとって、素材セクターの中では地味な存在だが、プロの評価は高い。このところの株価上昇で時価総額が5000億円台を回復しており、機関投資家の買いに弾みがついている。





※株価などのデータは2013年5月9日現在。各ランキングの順位はテーマ解説者の注目度の高い順に並べた。直近の実績(または予想)が5月9日時点で未発表のものはアナリストコンセンサスのデータを掲載。【目標株価】は日経平均株価=1万6000円、ドル/円=105円をベース算出。【株価出遅れ度】は、株価の出遅れ感が強いほど★の数が多く、【投資安全度】は流動性や事業規模などで算出し、安全度が高いほど星が多い。【投資判断】は目標株価と現在株価の差が大きく、投資の安全度が高い銘柄が高評価とした。掲載銘柄の抽出は岡三証券、順位づけはネットマネー編集部、目標株価や投資判断などのデータはフィスコが担当。

高山周作
岡三証券 投資戦略部主事 日本株式情報グループ シニアアナリスト

2005年、岡三証券に入社。 化学業界、機械業界を担当するアナリスト業務に従事した後、現在はセクター横断的な銘柄調査を担当している。 日本証券アナリスト協会検定会員。



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。