今月注目!経済の言葉「異次元緩和」
TOPIX(東証株価指数)も年初来高値を連続更新と、相変わらず絶好調の日本株市場。値上がり銘柄数を見ても、東証1部の約1700銘柄中、1300銘柄が上がった日があるなど、何を買っても大丈夫な気が…。でも選別は必要だ!


黒田日銀新総裁が誕生して初の金融政策決定会合(4月4日)で打ち出した「異次元の金融緩和」から、円安・株高が止まらない日本市場。

この“異次元”とは何なのでしょうか?

そもそも金融緩和とは中央銀行による金融政策のひとつ。中央銀行が市中に資金供給量を増やしたり、政策金利を引き下げるなどの操作をすることで、企業がお金を借りやすくしたり、金利負担を減らしたりして設備投資を活発化させる効果があります。より流動的に市場にお金が出回るようにする景気刺激策のひとつなのです。その中でも日銀が2001年3月から2006年3月まで実施した金融緩和を「量的緩和」といいます。金利引き下げではなく、中央銀行の当座預金残高量を拡大させる金融政策のことで、米国の「QE1」「QE2」「QE3」はこれにあたります。この従来の金融政策の枠組みから大きく変更&拡大したため“異次元”が付いたのです♪

一番インパクトが強かったのが、2012年末で138兆円だったマネタリーベースを今後2年間で2倍に増加させ、量的および質的な金融緩和を推進するとの発表。マネタリーベースとは中央銀行が供給する通貨のことで、要は諭吉を刷って刷って刷りまくるよ!(笑)と提言したようなもの。これで円安進行→株高となったのです。また日銀が国債を大量に買うため、銀行や生保などは従来の国債運用ができなくなり、資金が株式市場に流れ込んできていることも株高につながっているようです。

今回の金融緩和については賛否両論ありますが、何かしなければキプロスのようなことが起こっていたかもしれません。他国の金融緩和でいわれなき円高・株安を強いられてきた日本が“QE4”に打って出たのです。荒手ではありますが、強固な姿勢が円安・株高をもたらしたので、まずは大成功では?

株ばかり上がってズルイと言われますが、まず株が上がらなければ経済は回らないんです。というか、今までひどかったんだからイイじゃないですかね〜、そこまで目の敵にしなくても(笑)。

若林史江(わかばやし・ふみえ)
株式アドバイザー、徳山大学経済学部特任講師

この連載では経済を背景に移り変わる金融用語を、できるだけわかりやすく紹介していきます♪



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。