日笠陽子

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 声優・日笠陽子が、初の劇場版アニメ主題歌を担当した出演作『ハル』について語るとともに、アーティストとしての心構えを明かした。「自分のことが大好きだから、声優をやっているのかも」と語った日笠だが、歌手としては「自分が歌いたい曲を歌うという以上に、誰かのために歌っているような気がするんです」と意外な心境を明かしている。


 本作は近未来の京都を舞台に、飛行機事故で最愛の人を失った女の子と、その恋人にふんしたロボットの交流を描いた劇場中編アニメーション。テレビドラマ「すいか」「野ブタ。をプロデュース」などで知られる脚本家の木皿泉が初めてアニメ作品に挑戦した本作で、日笠はヒロイン・くるみを演じるとともに、主題歌「終わらない詩」を担当した。


 そんな日笠は自身の役割について「わたしは声の役者のプロだから、いかにお芝居に心を込めるか、ということが大事なんです」ときっぱり。それは一人のアーティストとしても変わらない。もともと本作の主題歌は自身のアルバムに収録するために選んだものだったというが、「この曲では(牧原亮太郎)監督のために歌っています。わたしの役割は歌も含めて、監督が目指しているもののの、パズルの1ピースのようなものなんですよ」と謙虚な姿勢を崩さなかった。


 終始はきはきした返答の一方で、時に言葉に詰まる場面も見せた日笠は、その理由について「うそが苦手なんです。一つうそをつくと、それを塗り固めるためにどんどんうそをつかないといけないじゃないですか」と苦笑い。「大事なのは、実際に自分でそこに行って、感じることだと思うんですよね。自分で実際見ないとわからないし、そうすればうそをつかなくてもいいじゃないですか。去年は自分で車を運転してマザー牧場や高尾山に行ったりして……」と声優としての自分なりのこだわりを明かした。


 今年、ついに待望ともいえるソロデビューを飾った日笠。「けいおん!」をはじめとする出演作でも歌ってきたが、これまでとは意識の変化もある。「アルバムは自分のものだけれど、自分のためではなくて誰かのために歌うのが自分なんだって、少しずつ感じ始めています」と明かした日笠は、「『ハル』というこの作品も、くるみを演じる日笠陽子と、主題歌を歌う日笠陽子。その二つを別にとらえながら、両方楽しんでいただけたらなと思います」とファンにメッセージを送った。(取材・文:編集部・福田麗)


劇場中編アニメーション『ハル』は公開中