投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の6月3日〜6月7日の動きを振り返りつつ、6月10日〜6月14日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は続落。週末には一時12600円を割り込み、4月4日以来の水準に。5月23日の歴代11位の下落後は、リスクに対する警戒感が強まるなか、値振れの大きい不安定な相場展開が続いている。

 週初は米国の出口戦略に対する先行き不透明感が嫌気され、3日の日経平均はギャップ・ダウンで500円を超える下げに。翌4日には13000円割れ寸前まで下げた後に、国内機関投資家による押し目買いの動きとの観測から一気に13500円を回復。しかし、5日には政府の成長戦略第3弾に目新しいものがないとの見方を理由に先物主導で売り仕掛け的な流れが強まり、再び13000円割れ寸前まで下げていた。

 その後も米国株安のほか円高の流れが嫌気されるなか、週末にはNY為替市場で円は対ドルで一時1ドル95円台に急伸し、約1ヶ月半ぶりの円高・ドル安水準をつけた。これにより大証225先物のナイトセッションでは一時12290円まで急落するなど波乱の展開に。

 週末については、円高を嫌気する格好から12600円を割り込む局面もみられたが、その後、厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の中期計画の変更について説明するとの報道を受け、一時13100円を回復する局面をみせるなど、先物市場の動きに振らされる相場展開だった。

 GPIFが発表した運用計画では、全体の資産に占める国内債券の比率を67%から60%に大幅に引き下げる内容。国内株式は11%から12%に割合を高める。説明報道で13110円まで上昇していた大証225先物は、通常取引の終値は12680円に。ナイトセッションで再び荒れた値動きが続くようだと、今週についても不透明感の強い相場展開になりそうである。

 また、今週末にはオプションSQを控えており、一段と先物の動向に振らされる可能性がありそうだ。一方、日経平均は12500円前半まで下げ、テクニカル面では一先ずボトム形成が意識される水準まで下げている。あとは、7日米雇用統計を受けた米国市場の出口戦略への見方などで落ち着きを戻してくるようならば、反発のタイミングを探るスタンスになろう。

 一方向に需給が振れやすい相場環境のなかでは、強制ロスカットも交えて一気に需給が改善してくる可能性もある。資金が集中するため想定外の価格形成となるが、こういった需給状況のなかではイレギュラー的な価格形成によってボトムを打つ可能性がある。過剰な価格形成になるなかで、冷静に押し目拾いのタイミングを見極めたいところであろう。

 ただし、週末のGPIFの運用計画など、政府が株価下支えを意識したスタンスや発言などが小刻みに出てくるようだと、その都度押し目買いでポジションが積み上がる。これがかえって需給改善を遅らせている可能性もありそうだ。

 日本銀行は10、11日の両日開く金融政策決定会合で、年内の買い入れ目標額に近づいている不動産投資信託(J-REIT)の購入枠については据え置く方針と伝えられている。失望は織り込まれている分、ポジティブ・サプライズへの反応は大きいだろう。

 また、14日には政府の成長戦略が閣議決定される見通しであり、改めて政策テーマへの物色が再燃する可能性も。そのほか、11日〜13日(米国時間)にアメリカ・ロサンゼルスで世界最大規模のゲーム見本市、「E3 2013」が開催される。「PS4」の詳細を発表するソニー<6758>が動意付くようだと、ソーシャルゲームに押されていたソフトメーカーの見直しもありそうだ。