投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、6月10日〜6月14日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、日本銀行金融政策決定会合で黒田バズーカ砲第2弾となる長期資金供給オペ(LTRO)が導入されるか否かを見極める展開となる。

 ドル高・円安材料としては、米国10年債利回りの上昇、東京株式市場の下げ止まり、長期資金供給オペ(LTRO)の導入。ドル安・円高材料としては、日本国債10年物利回りの上昇、東京株式市場の続落、長期資金供給オペ(LTRO)の導入が見送られた場合。

【年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用弾力化】
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、運用資産の基本ポートフォリオ比率を変更した。国内債券は67%(乖離許容幅±8%)から60%、国内株式は11%(±6%)から12%、外国債券を8%(±5%)から11%、外国株式を9%(±5%)から12%へ見直された。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2012年12月末の運用資産額は、111兆9296億円。内訳は、国内債券が67.3兆円(60.14%)、国内株式が14.5兆円(12.92%)、外国債券が11兆円(9.82%)、外国株式が14.4兆円(12.90%)。外貨建て資産へ最大限投資された場合、約10兆円規模の増額となることで、ドル買い・円売り要因となる。

【日本銀行金融政策決定会合】(10-11日)
 日本銀行金融政策決定会合では、日本銀行版「長期資金供給オペ(LTRO)」となる、期間2年以上の資金供給オペの導入が検討される。導入された場合は、国債市場の安定化要因、円安要因となる。

【日本4月の経常収支】(10日)
 日本の4月の経常収支は、3309億円の経常黒字が予想されており、3月の1兆2512億円の経常黒字が減少することが予想されている。経常黒字の減少は、ドル・円相場の下支え要因となる。

【日本の1-3月期国内総生産(GDP)改定値】(10日)
 日本の1-3月期国内総生産(GDP)改定値は、前期比年率+3.5%と、速報値と変わらずと予想されている。注目ポイントは、デフレーターが速報値の前年比-1.2%から改善しているか否かとなる。

【成長戦略の閣議決定】(14日)
 安倍内閣は、成長戦略第1弾、2弾、3弾を発表してきたが、14日に閣議決定する予定となっている。アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)の材料出尽くしから、6月決算のヘッジファンドによる安倍トレード(日本株買い・円売り)の手仕舞いに警戒する展開となる。

 6月10日〜14日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)1-3月期国内総生産改定値 −− 10日(月)午前8時50分発表
・予想は、前期比年率+3.5%
 速報値では、個人消費が+0.9%。株高が個人消費の押し上げに寄与したものとみられている。輸出は+3.8%。消費、輸出がまずまず堅調だったが、公共投資や在庫積み増しを考慮するとコンセンサスは妥当か。

○(米)5月小売売上高 −− 13日(木)日本時間午後9時30分発表
・予想は、+0.4%
 参考指標となる5月のICSCチェーンストア売上高(ウォルマート除く)は、5月4日、11日、25日週で前週比マイナスを記録。ただし、ガソリン価格は前月比+1%程度でガソリン・スタンド売上の下落要因。自動車販売台数は微増。コンセンサスはおおむね妥当か。

○(米)1-3月期経常収支 −− 14日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、-1124億ドル
 貿易赤字はやや縮小しているが、所得収支の動向は見極めにくい。経常赤字幅は若干拡大する見込みとなっており、経常収支の大幅な改善(赤字幅の縮小)は当面期待できない。

○(米)6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報 −− 14日(金)日本時間午後10時55分発表
・予想は、84.5
 4月確報値は84.5←速報値83.7と上方修正。ダウ平均は6月初旬にかけてやや不安定な動きを見せた。5月ガソリン価格は小幅上昇。1-3月期国内総生産(GDP)は前期比年率2.4%に下方修正された。コンセンサスは5月実績と同水準だが、6月速報値は市場予想をやや下回る可能性がある。

 主な予定は、10日(月):(日)4月国際収支、14日(金):(米)5月生産者物価指数、(米)5月鉱工業生産・設備稼働率

【予想レンジ】
・ドル・円94円00銭〜99円00銭