C)2013「奇跡のリンゴ」製作委員会

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読者の皆さんは”奇跡のリンゴ”と呼ばれるリンゴをご存知だろうか?
年に何度も農薬や肥料をやり、気の遠くなるほどの手間をかけて実るリンゴ。それをすべての農薬をやめ、無農薬栽培で作ろうと11年にもわたる苦労の末に誕生したリンゴが”奇跡のリンゴ”だ。
生みの親は、リンゴ農家の木村秋則さん。この壮絶な誕生秘話は06年にHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介され、大きな反響を呼びそれらにまつわる本も多数発売されたのでご存知の方も多いと思うが、その”奇跡のリンゴ”の誕生ストーリーがこの度、映画になった。
「結末はわかっているから、映画を観る気分にまではちょっと。」と思っている方がいたら、その考えはちょっとストップ。映画ならではの感動をぜひ味わってもらう為にも本作の魅力をご紹介したい。

ストーリー


1975年、青森県弘前。リンゴ農家の木村秋則は妻、美栄子が、年に十数回も散布する農薬の影響で皮膚がかぶれ、数日寝込む姿に心を痛めていた。
そんなある日、妻のことを思う秋則は無農薬によるリンゴ栽培を決意する。しかしそれは”神の領域”と呼ばれるほど誰もが”絶対不可能”と断言する無謀な行為。それでも、秋則は周囲の反対を押し切り、何度も失敗を重ねそれでもあきらめることはなかった。次第に、妻や3人の娘たちは十分な食事にありつけないほどに困窮。気づけば、10年の年月が流れていた。
この途方もない挑戦の先に、秋則が見つけたものとは?

阿部サダヲ&菅野美穂が奇跡の夫婦を熱演


本作では、木村さんの飽くなき挑戦だけでなく、その不屈の精神の源となった妻への愛情、また同時にどこまでも献身的に支え続けた妻の姿も描かれ、その2人の思いの強さと純粋さが胸を打つ。
木村秋則役を演じたのは、「マルモのおきて」でさらに人気者となった阿部サダヲ。
その妻美栄子役にはプライベートでも”妻”になったばかりの菅野美穂。
阿部サダヲの演技を見た木村さんご本人は、「演技を超えて私になりきってくれた!」とこの難しい役どころを大絶賛。菅野美穂は木村さんの著書「奇跡のリンゴ 『絶対不可能』を覆した農家・木村秋則の記録」にもほとんど登場しない妻を表現力豊かに、そして持ち前の明るさで熱演。
どんな事があっても、家族で乗り越えてい こうとする彼らの姿に何度もウルウルさせられる。

海外でも絶賛! ハリウッドでのリメイクも!?


手がけたのは、『チーム・バチスタの栄光』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』『ゴールデンスランバー』等の中村義洋監督。
先日の伊フィレンツェで開催された第3回フィレンツェ映画祭(5月22〜25日)のオープニング作品として上映され、同映画祭唯一の賞である観客賞を受賞。中村監督は上映後のティーチインに参加したが、俳優への演出方法や無農薬農法の現状にいたるまで絶え間なく質問が寄せられ、終了したのは日付の変わった深夜だったそう。(ちなみにハリウッドでリメイクの話も進行中)
撮影前には、「農薬でリンゴを作るということがどれだけ奇跡的なことか、もあるのですが、あらゆる仕事においてチャレンジを続ける人々の、普遍的な物語であると感じました。
普通やめるでしょそんなの、というところを全くあきらめない男とその妻の物語です。
今まさに何かをあきらめかけている方が観て、この家族に比べたら自分の方が恵まれてるな、もう少し頑張れるな、なんて思って頂けるように作りたい。」と語っていた。

さいごに


本作は監督のおっしゃる通り、ひとつの事に命をかける夫婦の物語。
しかもお涙ちょうだいではなく、きっちり笑わせてくれるシーンも多く老若男女誰もが楽しめる作品に仕上がっている。
個人的には、2人の両親である山崎勉さん、伊武雅刀さん、原田美枝子さんらの演技が素晴らしく(&温かく)涙腺がゆるみっぱなしだった。
ちょっと彼とうまくいっていない、何かにあきらめてしまいそう……なんて方は本作を見ると考え方が大きく変わるかも知れない。
ぜひ、ラストに目の前に広がる感動の景色をスクリーンで味わってほしい。
(mic)

映画『奇跡のリンゴ』は6/8より全国ロードショー
http://www.kisekinoringo.com/