レンズが撮らえた 幕末日本の城

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慶応元年(1865年)撮影の「大坂城 本丸東面」や、尾張藩主・徳川慶勝が元治元年(1864年)に撮ったという広島城の写真などが、ずらり134城720点――『レンズが撮らえた 幕末日本の城』(山川出版社)が、近年各地で新たに発見された古写真を一挙紹介している。

「再興」の城とは気品が違う

現在では、鉄筋コンクリート造などで再興された「天守」を見ることができる城もある。しかし、同書監修者の一人である広島大大学院の三浦正幸教授は冒頭解説で、古写真と再興天守を見比べると、「大なり小なり相違している」として、「古写真に見られる気品のある外観が大きく損なわれていることをぜひとも確認」してほしいとしている。

本書の「主役」は貴重な写真の数々だろうが、解説やデータも充実している。各城の築城年や慶応3年時の城主と石高などを紹介。写真についても撮影時期のほか、場所の解説もある。たとえば「江戸城」の「二の丸大手三之門と下乗橋」では、「明治初期の撮影」「御三家以外の大名諸侯はここで乗り物を降りて徒歩で登城した」とある。

北海道から沖縄までの城が登場しており、故郷や地元にある城の「昔の姿」を探す楽しみ方もできそうだ。

2013年4月に発売された。編著・來本雅之、監修・小沢健志、三浦正幸。1890円。