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「メンタリスト」を見ています。
フォークをぐるぐるにして、相手が何色のボールを持ったか目隠しで当てる、ウィッシュじゃないほうのあの人です。違います。

2008年にスタートしたアメリカの連続ドラマ「THE MENTALIST メンタリスト」。
「メンタリスト、それは心を読み、巧みに操作するもの」のメッセージから始まる刑事ドラマ。警察の捜査班に協力する心理のプロの犯罪コンサルタントが、シャーロック・ホームズばりの観察力で事件を解決に導き、コロンボばりに会話で犯人を追いつめていく。全米で視聴率ナンバーワンにもなった大人気ドラマです。

なにも考えずにつけたテレビでこんなのに出会える素晴らしさ。テレビというメディアの魅力は実はこういうところだと思うのです。さらにローカルテレビというのはとても素敵で、こんなご機嫌なドラマを朝の8時から放送してたりします。さいこう!

さて、「メンタリスト」ですが、ぶっちゃけた話、大したお話じゃありません。「フルハウス」や「フレンズ」みたいな圧巻の面白さとは違いますし、「ロスト」や「24」みたいな意欲的で革新的な構成で時代を作ったようなドラマとも違います。刑事ものなので殺人事件が起こるわけですが、驚くべき密室がとか、完璧なアリバイが、とかがあるわけじゃありません。ある回では、謎解きのシーンまで出てこなかったモブの一人が犯人だったり、おばちゃんが手近なオブジェでおっさん殴っただけだったり。日本で言うなら、「はぐれ刑事純情派」みたいな感じ。

このドラマの見所は、主人公のキャラクターの魅力です。不思議な心理テクニックで動機を明らかにし、犯人をいつのまにか罠にかけている。全編通してニヤニヤ笑って、アメリカのドラマらしい軽口をたたきながら、マフィアのボスから政治家までちゃかしたり怒らせたり。それでいて心を読んで、核心をするっとつかむ。主人公の名は、パトリック・ジェーン。殺人鬼に妻と子供を殺された過去もある元インチキ霊能力者。ブロンドでカーリーヘア、たれ目、知的で二枚目。イヤミだけど愛嬌もある、という感じでしょうか。他の捜査チームのレギュラーメンバーのさりげない会話も仲の良さがにじみ出て、絶妙なチーム感も、ドラマを盛り上げます。キャラ萌え、といいますか。そんなところまで「はぐれ刑事純情派」。


ということで、キャラ萌えが僕のコップにいっぱいになったので、とにかくウィキペディアの時間です。
パトリックを演じるのは、サイモン・ベイカー。オーストラリア人の俳優で20年以上のキャリア。ハリウッドデビューは97年の「LAコンフィデンシャル」、近作では「プラダを着た悪魔」。というわけで、ビデオ屋へ行きましょう。(どうでもいいけど、ビデオ屋って言い方やめれないんです。レンタルDVD屋って長くてゴロが悪くて、なんかいい言い方ないもんですかね。)

「プラダを着た悪魔」見ましたよ。うほっ、出てる出てる。役柄は、ファッション雑誌のライターで、彼氏もいる主人公アン・ハサウェイを誘惑するちゃらい役。ここでも、始終ニヤニヤして、ほんのちょっと感じが悪いナンパな男。脇役ですが、そこそこ出番もあって重要な役です。いいなあ、サイモン・ベイカー。男はこうありたいものです。ニヤついて一見適当で、何考えてるかわからない。藤田まことというより、高田純二的な。

その次にやっぱりデビュー作「LAコンフィデンシャル」。それなりに聞いたこともあったし、主演はケビン・スペイシー、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアースと後の大物ぞろいなので、18年くらい前の古い映画でもビデオ屋にあると思ったら、油断しました。ビデオ屋2件回って置いてないという仕打ち。
最近は映画も配信が主流なのか、そもそも全部の映画置いてないなんてほうが当たり前なんですが、2件で2時間ずつくらい棚を凝視しても見つからず、ほうほうの体です。こうなれば意地です。iTUNEで落としてやろうとして、クリクリスクロールして1時間。ない!プレイステーションストアで検索かけて1時間。ない!!この映画がこの世に存在するのかも怪しくなってくるたびに、ウィキペディアを再確認しつつも、とにかく万策尽き果てました。それでも、サイモン・ベイカー萌えのグラスはまだタプタプだし、なんだかこうなったら店長としての意地もむくむく鎌首をもたげます。

天下のアマゾンさんでポチってやりましたよ。DVD。

えぇ、はい。そうですね。自分でもこのあたりは、ちょっとおかしくなってたなと思います。好きなのは「メンタリスト」だし。見たいのはサイモン・ベイカーだし、この映画にどれくらい出てるのかもわかんないし。とにかく、「店長としての意地」ってなんだろう。と、今では思います。

まあ、とにかく届いたので、見ることにします。「LAコンフィデンシャル」。
マフィアが横行し、警察が腐敗する50年代のLAを舞台にそれぞれの正義を胸に事件を追う3人の刑事。
みんな若いなー。ケビン・スペイシーもラッセル・クロウもこのあとアカデミー賞を受賞するし、ガイ・ピアースとかフレッシュな新人刑事役だけど、こないだ出てたのは、けっこうなおじいちゃん役だったなあ(@「プロメテウス」。ちょっと意味合いが違う)。
とかなんとか、1時間と少し見た頃に、出てきました!
待ってました!サイモン・ベイカー!役名、マット・レイノルズ!ゲイの新人俳優役!
若いカールしたブロンドが甘いルックスをさらに甘くしています。新人俳優という緊張した面持ちの演技がハリウッドデビューという初々しさにも見えて、なんだか微笑ましい。ガッチリ系のラッセル・クロウなんかがいる分、線が細く青っ白ろく見える感じも、なんだか確かにゲイっぽい。
しかも、登場時間約2分、その5分後には死体に!下積みっぽい!「昔は死体の役とかやってたんですよー」って俳優は日本ではかなり少なくなりましたが、広いハリウッドにはまだいました。首を切り裂かれて、哀しげな顔で中空を見つめるうつろな目も、のちの「メンタリスト」の活躍を思えば、「がんばれ」と応援したくなります。この人、15年後くらいにけっこう大ヒットドラマの主演だよ、当時の観客にも教えてあげたい気分です。

映画はその後つつがなく終了。アカデミー賞をもとりかけた映画に、つつがなくって感想もないもんですが、こちとら、サイモン・ベイカーの2分を見るために天下のアマゾンさんまで動かしてるわけですから。とりあえずは彼を見れたのでオーケイ。お話もそれなりに面白かったから問題なしです。

とりあえず2本見ただけですが、なんだかサイモン・ベイカーの人生をなぞったような気分になれました。
ハリウッドには有象無象、数千人の俳優がいるなんて言われます。その中でオーディションや下積みを経て、ハンサムなルックスと確かな演技力で「メンタリスト」にたどりついた、そんな映像の裏側を想像して、さらに魅力的に思えてきました。

かっこいいぜ、サイモン!



まあ、でも、アマゾンはやりすぎたな。
2分かあ・・・


◆執筆  ヴィレッジヴァンガードイオンタウン千種店 西村店長
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