杭州の世界遺産・西湖のシンボル、三潭印月 (Photo:©Alt Invest Com)

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 6月4日に埼玉スタジアムで開催されたワールドカップ最終予選でオーストラリアと引き分け、日本は見事5大会連続の出場を決めたが、そのうちのフランス大会、南アフリカ大会で指揮をとった岡田武史前日本代表監督は、現在は中国に渡ってスーパーリーグ(「中超」、日本のJ1リーグに相当)の杭州緑城を率いている。

 浙江省の省都・杭州(Hangzhou)は上海の南西150キロほどのところにあり、高速鉄道を使えば1時間弱の距離だ。長江(揚子江)デルタが生んだ中国を代表する古都のひとつで、世界遺産に指定された西湖の周囲には古寺名刹などの見所が集まり、全国から観光客が押し寄せてくる。

 緑が多いのもこの町の特徴で、古くから“緑城(Green Town)”の名で親しまれてきた。フットボールクラブの名もここからとられている(縁起のいい「金」の字を使って、「大金緑城」ともいう)。

 今年から元日本代表フォワードの大黒将志が加わったこともあり、上海から足を延ばし、4月27日(土)開催の強豪・山東魯能との試合を観戦することにした。

 今年は5月1日のメーデーが水曜日で、中国では4月29日(月)と30日(火)も休みにして、27日(土)から5連休になった。2月の旧正月、10月の国慶節と並ぶ中国の大型連休で、西湖をめぐる遊歩道はたいへんな人だかりだった。

 杭州緑城のホームスタジアムはこの西湖から車で10分ほどのところにある黄龍体育中心(Yellow Dragon Sports Center)で、2000年に建設された収容人員5万1000人の大規模施設だ(陸上競技場との併用)。中国でスーパーリーグを観るのはこれがはじめてで、どれくらい混雑するかわからなかったので、昼過ぎに杭州駅に着くとそのまま球場にチケットを買いに行った。

 黄龍体育中心にはショッピングセンターや飲食店街が併設されていて、どこに行けばいいかわからずうろうろしていると、緑城のユニフォームを着たサポーターが「日本人かい?」と英語で話しかけてきてチケット売場まで案内してくれた。チケット売場では若い女性が、日本語で席種や値段を説明してくれた。上海から近いこともあって、杭州まで試合を観に来る日本人も多いのだろう。

 試合は午後7時半からだったので、いったん西湖まで戻り、ビールを飲みながら時間をつぶして試合開始1時間ほど前にスタジアムに戻った。

 私の席はバックスタンド下層階の中央あたりで、料金は90元(約1400円)だった。日本のJリーグでもバックスタンドの自由席は2000円程度だから、中国の物価水準を考えるとかなり強気の価格設定だ。

 そのせいもあるのか、選手がすでにピッチで練習を始めているというのにメインスタンドにはほとんど観客はおらず、バックスタンドのホーム寄りにサポーターと思しき観客がぽつぽついるだけだ。

 こんな調子でほんとうに大丈夫なのかと思っていると、試合開始30分くらい前から観客が入りだし、バックスタンドの下層階は6割くらいまで埋まった。

 後で話を聞くと、暦の上では5連休でもほとんどの会社が休日出勤させるので、土曜と日曜を通常営業にした3連休のところが多いのだという(日曜でも銀行が開いていて驚いたことがあるが、その理由がようやくわかった)。観客の多くは、仕事が終わってからバイクなどに相乗りして駆けつけてきたのだ。

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