日本の株式相場の下落について

写真拡大

6月6日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比▲0.9%となり、約2ヵ月ぶりに1万3,000円を割り込みました。また、株式相場全体が不安定な動きとなる中、特に新興市場の下落率が大きくなり、JASDAQ指数が▲5.3%、東証マザーズ指数が▲13.1%となりました。

昨年11月以降の日本の株式市場の上昇は、あまりに急なものでした。しかも、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から乖離した投機的な動きが一部で見られたことなどを踏まえると、足元の株価下落は「健全な調整」と考えられます。

このところの株価調整は、米国の量的緩和策がまもなく縮小され、これまで世界に流れ込んできた過剰流動性の巻き戻しが始まるとの懸念がきっかけと考えられます。こうした懸念がしばらくは市場の動揺につながる可能性はあるものの、やがて、ファンダメンタルズの改善が株価を押し上げる局面が訪れると見込まれます。その際には、株価の振れは現在よりもかなり落ち着いたものになると想定されます。日本の株価バリュエーションは、過去との比較においてだけでなく、世界的に見ても魅力的と考えられ、配当利回りの水準は国債利回りを依然として上回っています。また、企業業績見通しについては、今後、更に上方修正が行なわれると見込まれます。日本では、巨額の資金が預貯金などとして積み上がっていますが、アベノミクスの進展などに伴ない、既に物価水準に上昇の兆しが見られることなどもあり、やがてリスク資産へシフトする可能性がかなり高いと考えられます。ここで、過去の教訓を挙げると、2010年当時、米国の積極的な量的緩和策(QE2)は機能しないと多くの人が語っていました。しかし、その後、米国の株価は大幅な上昇を遂げました。今後、同じようなことが日本でも起きる可能性があります。

なお、6日の新興市場の株価は、取引開始時から下落し、これを受けた利益確定売りなどを背景として、下げ幅を広げる展開となりました。また、大型株へ資金が流れ、小型株への資金流入が少なかったために戻りは弱く、売りに押される展開となりました。しかしながら、新興企業は、海外事業比率が低い銘柄が多く、為替変動の影響を受けにくいことに加え、企業業績といったファンダメンタルズに大きな問題があった訳ではないため、今後は、市場が冷静さを取り戻すにつれて、好業績銘柄を中心に買われる展開になると考えられます。

(※上記データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)

(2013年6月6日 日興アセットマネジメント作成)

●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。→「フォローアップ・メモ」