雨漏り? いえいえ、アートです!/「駅もれ」サイトがじわじわ来るおもしろさ

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関東地方も梅雨入り。雨だと電車内は湿度のせいでムシムシするし、混雑した駅構内で目をやれば雨漏りをバケツで対応しているしで、「ああ、私の人生には “美” や “驚き” が足りないわ」とお嘆きの皆さん。

皆さんの生活は、本当は “美” や “驚き” に溢れているかもしれませんよ。ただ、その “美” や “驚き” を見いだす観点がまだわかっていないだけで……。今回は、その「観点」を教えてくれるステキなサイトをご紹介しましょう。

そのサイトとは「駅もれ」。駅構内の雨漏り・漏水の対策を採取しているサイトです。単に雨漏りや漏水の対策の写真をまとめているだけのサイトなのですが、写真に付けられたタイトルと文章が、じわじわとおもしろいのです。

例をいくつか挙げると……

■京阪北浜駅「さなぎ」

京阪北浜駅の漏水の写真に付けられたタイトルは「さなぎ」。「ダイナミックな施行だが、羽化寸前の蝶のさなぎのようなフォルム。思わず、飛立つまで見守りたくなるような駅もれである。」というコメントが添えられて、思わず「なるほど!」と思ってしまいます。

■船橋駅「色彩の調和」

船橋駅の写真には「色彩の調和」というタイトルが。添えられているのは「漏水部分の対策から、管、バケツ、パイロン、張り紙とこれぞ駅もれという佇まい。バケツが赤でパイロンが青という普通とは逆の組み合わせが生み出す不調和と、視界に入り込む黄色のラインと、緑のストライプとの全体的な調和も素晴らしい。」というコメント。そう言われてみれば、そう、か、も……。

■雑司ヶ谷駅「エイリアンの卵」

雑司ヶ谷駅の漏水の写真には「エイリアンの卵」というタイトルが。「天井にぽこぽこと現れた半球状の駅もれ。ビニールとガムテープで形成されたそのフォルムは、あのSF大作のワンシーンを想起させ、恐怖を禁じ得ない。」というコメントを読むと、この漏水対策を発見した時にはちょっとした驚きがあったのではないかと想像できます。

じっくりと一つ一つの写真に添えられたタイトルとコメントを読んでいくと、このサイトの運営者が駅の漏水対策を、アート作品を鑑賞するかのような視点で見ていることがわかります。

それもそのはず、このサイトを運営しているoniproさんは美大を卒業したお方。美に対する感度が高い方だと、世界はこう見えてくるのかと、目を開かせてもらった気持ちになります。

oniproさんは、このサイトを作った理由を「視界には入っているけど見えてない世界がいくらでもあります。でも、ちょっと立ち止まって、そこにある事象を観察すると、いろんなストーリーが見えてきます。そして、それを採取しはじめると、電車を乗り継ぐだけの単調な移動時間も、宝探しをしているような至福の時に様変わりします。つまり、ただの趣味です。」と教えてくれました。

同じものを見るならば、そこから “美” や “驚き” を見いだせたほうが楽しいはず。「アート」として見れば、駅員さんの涙ぐましい努力のあともわかったり、何かおもしろいものに見立てることができるかも。皆さんもおもしろい「駅もれ」を発見して、twitterの「駅もれ」アカウント@ekimore に投稿してみてはいかがでしょうか。

参照:駅もれ
(文、取材=山川ほたる)


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