真木よう子との共演を語った大西信満(中央)

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真木よう子主演で芥川賞作家・吉田修一の長編小説を映画化した「さよなら渓谷」の男女ペア向け試写会が6月5日、都内の劇場で行われ、共演の大西信満、大森立嗣監督、高橋樹里プロデューサーがトークイベントを行った。

緑豊かな渓谷を舞台に、15年前に起きたレイプ事件の被害者(真木)と加害者(大西)が抱える極限の愛と憎しみを描き出す。一連の事件を追う週刊誌記者を、監督の実弟・大森南朋が演じる。

「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」「まほろ駅前多田便利軒」「ぼっちゃん」など、これまで若者を描くことが多かった大森監督は、「今までは青春映画を撮っていたので確かに違う意識もあった。素晴らしい原作なので、とにかく原作の持っているパワーを損なわないこと、色眼鏡なしに原作に向かっていくことを心がけた」。念願の企画実現には、「小説を読んで動物的に反応。あの事件がなければまっとうに生きていただろう、社会の枠の外にいる男女にひかれた。そこに芽生えた純粋な愛の欠片のようなものに触れてもらえれば」と語りかけた。

大西は真木との初共演を振り返り、「クランクインする前に接する機会もほとんどなく、お互い社交的じゃないので最初から打ち解ける感じではなかった。だけど、芝居を通して言葉じゃないところで信頼関係が生まれた。そんな2人の距離感、空気や体温みたいなものが映っていればいい」と手応えを感じていた。また、「この作品に限らず役に合わせて体を作る。今回は俊介が元運動部という設定が重要だった。肉体に説得力がないとダメなので、あの時期は体を大きくしていた」と徹底した役作りを明かした。

高橋プロデューサーは、「世間的に見たらありえない設定だけど、被害者はその後どうなったかという報道はないので、どういう風に幸せを探していくのかということに興味があった。女性と男性で意見が分かれるのも面白い」と、本作が迎える結末への感想が男女によって異なることに着目していた。

「さよなら渓谷」は、6月22日全国公開。

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