ジェラルド・バトラーが人生最大の失敗を明かす!

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タフでマッチョでありながら、瞳には優しさが映る。ジェラルド・バトラーが最新作『エンド・オブ・ホワイトハウス』(6月8日公開)で演じるのは、心に傷を抱えながらも、テロリストにたった一人で立ち向かう勇気の男だ。まさに、はまり役を得た本作では、主演に加えてプロデュース業にも乗り出したバトラー。来日した彼を直撃すると、おおらかな笑顔で、人生最大の失敗やそこから得たチャンスまで、胸の内をたっぷりと教えてくれた。

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「この作品はヒロイズムの物語なんだ」と話すバトラー。本作の舞台は、陸空同時の奇襲により、たった13分でテロリストによって占拠されてしまったホワイトハウスだ。ダイナミックかつ、リアルな臨場感を持って、世界的な危機が描き出される。「僕たちは今、世界的にテロリズムの脅威に晒されているよね。9.11以降は、いかに自分たちが、テロリズムに対して脆い存在なのかと感じている。映画というのは、その時代や政治を反映するもの。だからこそ、テロリズムに対して僕たちが脆いものであり、そこから世界を守ろうとしている人たちの意義は何なのかということを投げかけたいと思ったんだ」。

バトラー演じる主人公マイクは、かつてシークレットサービスとして活躍しながらも、大統領夫人の命を守れずに一線を退いた男だ。これまでにも様々なタイプのヒーローを演じてきたが、マイクをどんなヒーローだと感じているのだろうか。「マイクは、自分の仕事に真摯に向き合って、きっと周りの人がおかしくなるくらいに厳しい男だったと思う。しかし、任務を果たしていたにも関わらず、ファーストレディを失ってしまう。つまり、ヒーローとして歩んでいた道が閉ざされてしまうんだ。『自分はこのために生きているんだ!』と思えることを失ってしまうんだね。そこから、今度はまた、マイクはホワイトハウスの人々のために勇気を振り絞ろうと決心する。自分の大儀やモラル的なジレンマにぶつかりながら、前に進もうとする男を演じるのは、とても興味深かったよ」。

失敗や心の痛みを乗り越えて、再び勇気を振り絞ろうとするマイク。マイクのように失敗をした経験があるかと尋ねると、「だからこそ今、僕はここにいるのかもね」と笑顔を見せてくれた。「実は若い頃、7年間も法律を学んで弁護士を目指していたんだ。でも、全然その仕事を好きになれなくて(笑)。仕事ぶりもあまり良くなかったのか、事務所をクビになってしまったんだよ。そこで、翌日にロンドンに引越しをして、役者を目指すことにしたんだ。7年間も自分の人生を無駄にしてしまったなんて、ある意味、悲劇だよね(笑)。でも今度は、その2倍の努力を演技の道に注いだ。『これこそ自分がやりたいことだ』と信じていたし、『また自分にチャンスが与えられた』とも感じていたしね。だから、もし今の道が違うとか、失敗をしてしまったと思っている人がいたら、『大丈夫だよ、時間はみんなにあるんだから』と声をかけたいね」。

本作で印象深いのは、体当たりのアクションだ。銃撃シーンも迫力があるが、人間と人間の肉体的なぶつかり合いが見どころとも言えるだろう。バトラーは、撮影中に首の骨を折るほどのアクシデントにも遭遇。「むかつくような体型にならなくちゃいけなかった(笑)。格闘技のトレーニングにも励んだ」と話す。そんななか、胸を打つのが、マイクが大統領の息子に自らの恐怖心を打ち明けるシーンだ。

強くたくましく見えながらも、そこに潜んでいた恐怖心。自身にも、一歩進むうえで「怖い」と感じる瞬間があるだろうか。「そりゃあ、あるさ。そういう時はね、ナーバスになればなるほど、笑うようにしているんだ。すごい高いところから飛び降りなきゃいけない時や、つい先日、とんでもなく大きい注射をお尻に刺されて(笑)!すごい怖かったから、大笑いしたんだよ。医者が『コメディーショーじゃないんだよ』と言うくらいにね。でもね、それが僕の恐怖を押し出すやり方なんだ。あとは、『大丈夫だよ』って、他の人に話すことでエネルギーをポジティブなものに変える時もあるね」。

『マーヴェリックス 波に魅せられた男たち』(6月15日公開)、『スマイル、アゲイン』(8月17日公開)など、今後も出演作の日本公開が目白押しだ。作品選びの決め手を聞くと、こう答えてくれた。「作品選びにルールはないんだ。僕が『300(スリーハンドレッド)』に出る前に、絶対に出ないと決めていたジャンルが、サンダルを履いて剣を持つ役だったんだ(笑)。もう、『トロイ』(04)が作られた後だったからね。『ノーモア!』って感じだった。でも、『300(スリーハンドレッド)』の脚本を読んで、参考映像を見たら、『これは映画史に残る一本になる。映画製作の新しいやり方を追及する作品になる!』と感じたんだ。それからというもの、ルールを設けないようにした。もし大事なことがあるとすれば、脚本を愛せるかどうかということ。そして、人の心に響くメッセージがあるかということ。パーフェクトな脚本じゃなくても良いんだ。そこから可能性を見出すことも、魅力的なことだからね」。

ユーモアと優しい笑顔いっぱいにインタビューに答えてくれたジェラルド・バトラー。挫折を知り、笑うことで壁を乗り越えてきた彼だからこそ、その人間力が私たちを惹きつけて止まない。まずは本作で、彼の魅力をたっぷりと堪能してほしい。【取材・文/成田おり枝】