報奨金の上限はいくら? 警察の報奨金制度の仕組み

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交番などで「情報提供者には300万円!」といった内容の報奨金額が表記された手配書を見たことはありませんか? これは警察が、逃走中の犯人の情報を得るために広告している『捜査特別報奨金制度』と呼ばれるものです。

さて、この捜査特別報奨金制度ですが、報奨金の上限、またはどういった事件が対象となるのかご存じですか? 警察の捜査特別報奨金制度について調べてみました。

■報奨金は有力な情報提供者に支払われる

この捜査特別報奨金制度は2007年4月1日に設けられた制度です。

警察庁の「捜査特別報奨金制度の概要」によると、捜査特別報奨金制度は、

警察庁が指定する事件に関し、「民法第529条」及び「第532条」の規定に基づき、重要凶悪事件等の検挙に結び付く有力な情報を提供した者に対して報奨金を支払う旨を広告し、有力な情報を提供した者のうち優等者に対して報奨金を支払うもの。

と解説されています。民法第529条と第532条というのは「懸賞広告」に関する民法です。ぞれぞれ法律の内容は以下のようになっています。

第529条
ある行為をした者に一定の報酬を与える旨を広告した者(以下この款において「懸賞広告者」という。)は、その行為をした者に対してその報酬を与える義務を負う。

(優等懸賞広告)第532条
1.広告に定めた行為をした者が数人ある場合において、その優等者のみに報酬を与えるべきときは、その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。

2.前項の場合において、応募者中いずれの者の行為が優等であるかは、広告中に定めた者が判定し、広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。

3.応募者は、前項の判定に対して異議を述べることができない。

4.前条第2項の規定は、数人の行為が同等と判定された場合について準用する。

捜査特別報奨金制度は、以上、二つの民法を踏まえています。

■報奨金の上限は300万円

捜査特別報奨金制度の広告の実施対象となる事件は、

警察庁が指定した「警察庁指定特別手配被疑者」にかかわる事件、そして指名手配されている事件のうち、警察庁が重要と認めた事件。
また、

社会的反響の大きい特異、または重要な事件であって、次の要件をいずれも満たすもの。

ア.次に掲げるいずれかの事件
(ア)殺人、強盗、放火、強姦、略取誘拐そのほか被害者の生命・身体に重大な損害を及ぼした事件
(イ)脅迫その他の方法により、公務または事業活動の遂行に重大な支障を及ぼした事件

イ.犯罪捜査規範第22条に基づく捜査本部開設事件

ウ.当該事案の内容、捜査の状況等に照らし、広告を実施して情報提供を促進することが有効・適切と認められる事件

と、「捜査特別報奨金制度の概要」に記載されています。これだけ読むと難しい感じですが、簡単にいうと「凶悪事件や社会に影響をおよぼした重大な事件。または解決に時間がかかっている事件」の犯人に対して報奨金がかけられるということです。


■報奨金の支払いは一人だけ?

次に、報奨金についてですが、上限は300万円までと原則で決まっています。しかし、特別な理由などがある場合は1,000万円までの増額が可能となっています。応募期間は原則として1年間です。

報奨金の支払いは、情報提供者に対して必ず満額支払われるわけではありません。事件解決の貢献度の度合いによって金額は変わります。300万円の報奨金がかかっていた場合は、その範囲内の金額が支払われます。

また、前述のように報奨金は犯人逮捕につながる有力な情報を提供した中で、優等者に対してのみ支払われますが、これは一人だけという意味ではありません。優等者が複数いる場合ももちろんあります。この場合は、優等者の人数分に分割して支払われます。


この捜査特別報奨金制度によって「地下鉄サリン事件」や「千葉県英国人女性殺害事件」など、いくつもの大きな事件の犯人が逮捕されています。これからも重大事件の犯人の情報が提供され、解決されていくでしょう。

(貫井康徳@dcp)

警視庁HP
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/