オバマ大統領も注目! コーヒーの出し殻から栽培するキノコの持続型ビジネス

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箱の中の美味しそうなキノコ。実は、霧吹きをかけるだけで自宅で育て・収穫し、食べることができます。


「とりあえずやってみよう!」で始まったビジネス

このキノコの栽培キットを商品化したのは、カリフォルニアのバークレー大学を卒業した二人、アレックス・ヴェレとニキール・アローラ。彼らは投資とコンサルティングの会社に就職が決まっていましたが、大学で最後の学期に講義で聞いたあることが気になり、試してみました。それは、「コーヒーの出し殻を使って、キノコを栽培できる」ということ。

教授から詳細を聞いた二人は、大学のキャンパスのキッチンで、コーヒーの出し殻をバケツに入れて栽培に挑戦します。すると、バケツ一杯にキノコが綺麗に育ち、みごと成功。通常はゴミとなってしまうコーヒーの出し殻をリサイクルできて、しかも自宅でキノコを手軽に栽培できることから、これを商品化してビジネスに展開できないか、と考えました。

そして、「社会的イノベーション」の為に大学の総長から5,000ドルの助成金がおりたことと、アメリカのオーガニックスーパーWhole Foods Marketなどからの初期投資が出たことをきっかけにビジネスをスタートさせ、持続型ビジネス「Back to the Roots」を立ち上げました。「Back to the Roots」とは「原点に戻る」という意味があります。そして、rootsは根っこという意味もあり、環境によいビジネスということを象徴している名前です。

アレックスとニキールは決まっていた就職先を断り、自分達のビジネスをフルタイムでやることにしました。「クラスの中で教授のキノコ栽培の話に興味を持って試してみようなんて思ったのは俺たちだけだった」とニキールは語っています。


オバマ大統領も注目した持続型ビジネス

その後、地元のカフェから定期的にコーヒーの出し殻を回収する契約を結びます。コーヒーの出し殻をキノコ栽培に利用することで、カフェにとっては、ゴミを減らすよいきっかけとなりました。この持続型ビジネスモデルにオバマ大統領も注目し、社長であるヴェレ氏はホワイトハウスに呼ばれ、持続型ビジネスがどのように経済成長に貢献できるか、また政府は何をすべきか、の意見を聞かれ、友好的な話し合いをしたそうです。


オバマ大統領との会談のニュースはNBCにも取り上げられました


このキットから育つオイスターマッシュルームは、日本ではあまりなじみのないキノコですが、アメリカでは美味しいキノコとしてサラダやパスタに使われています。ホームページには、栽培に成功した購入者のキノコの写真や、キノコでできるレシピが紹介されていて、プレゼントとしても人気。お値段は一箱$19.99で、日本円で約2,000円。


オイスターマッシュルームのトマトクリームパスタ


第二弾は、野菜の栽培ができるキット

持続型ビジネスの商品の第一弾が成功し、新しく生まれた第二弾が「Aquafarm」($59.99/約6,000円)です。





こちらはタンクで魚を飼育しながら、野菜が栽培できる持続型キット。まるで水の農園のようなタンクの中の魚に餌をあげるだけで、魚の排泄する糞がタンクの上で栽培する野菜によって栄養として吸い上げられるので、タンクの掃除が不要! そして、石で育てられている野菜が水を浄化してくれます。土も化学肥料も使わずにバジルなどのが栽培できるうえ、目の前で命の循環が見れる画期的なキットです。

やってみたら面白そう! という大学生の好奇心からスタートしたビジネスは、環境に良く、自宅で栽培に触れながら環境について学ぶことができる素敵なビジネスモデル。コンサルティングや投資の世界を選ばずに、環境の為にビジネスを発展させていく。自然が豊かで環境問題へ意識の高い日本でもどんどんこういった持続型ビジネスが増えていくことを願います。


[Back to the Roots]

(山縣美礼)