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 昨夜のワールドカップアジア最終予選、オーストラリア戦で見事5大会連続の出場を決めたサッカー日本代表。後半終了間際に本田圭佑選手のPKが決まり、日本中が歓喜の渦に包まれました。今回、サカイクではワールドカップ・ブラジル大会出場決定までの道のりを、「ザックジャパン」として立ち上がった2010年から日本代表を振り返ってみました。

■2010年 〜チーム立ち上げ期〜


・6月 南アフリカワールドカップ 決勝トーナメント1回戦敗退
 パラグアイにPK戦の末に敗れ、岡田ジャパンはベスト16の結果を残す。駒野のPK失敗による涙、凱旋記者会見で今野が披露した闘莉王のモノマネ「集まれぇ〜」が話題に

・8月 ザッケローニ監督就任会見
ビエルサ、ペジェグリーニ、ペケルマンなど、さまざまな監督が候補に挙がる中、最終的には『ザックジャパン』の船出となりました

・9月 パラグアイ戦(1−0)、グアテマラ戦(2−1)
原博実代行監督が指揮。南アフリカではメンバー漏れした香川のゴールでパラグアイに雪辱

・10月 アルゼンチン戦(1−0)、韓国戦(0−0)
メッシ擁する強豪に対し、長谷部のミドルシュートのこぼれ球に走り込んだ岡崎が決勝点を挙げて勝利。ザックジャパン初陣を白星で飾りました

■2011年 〜チームの基礎が完成〜


・1月 カタールでアジアカップが開幕
 グループリーグ
 ヨルダン戦(1−1)
 先制を許す苦しい展開も、この試合が実質デビュー戦となった吉田の終了間際のヘディングシュートで辛うじて勝ち点1をゲット

 シリア戦(2−1)
 長谷部のゴールで先制するも、後半に川島がペナルティーエリア内のファールで一発退場。PKを決められて1−1と追いつかれるも、日本もその後、岡崎が倒されてPKを獲得。決勝点は本田が挙げました

 サウジアラビア戦(5−0)
 グループリーグ突破が9割方、確実な試合で岡崎がハットトリック、前田が2ゴール。相手の緩い守備をズタズタに切り裂きました。この試合はシリア戦で左足首をねんざした本田を温存し、柏木がトップ下を務めています

 準々決勝
 カタール戦(3−2)
 1−1の同点で迎えた後半、吉田が2枚目のイエローカードで退場。さらに直後のFKを決められ、10人で1−2という厳しい状況に。しかし、香川の2点目のゴールで追いつくと、試合終了間際には香川の仕掛けからゴール前に走り込んだ伊野波がこぼれ球を押し込み、決勝点。盛り上がる開催国カタールを破って準決勝へ駒を進めました

 準決勝
 韓国戦(2−2、PK3−0)
 きれいな左サイドの崩しから前田のゴールで先制も、PKで同点に。90分で勝負がつかず、1−1で延長戦に入ると、日本がPKを獲得。これを本田がGKに当ててしまうが、素早く細貝が詰めてゴール。ところが日本は勝利を目前としながら、韓国のパワープレーに屈して終了間際に失点。2−2でPK戦へ。ここでは韓国が1本も決めることができず、3−0と日本が危なげなく勝利を収めました

 決勝
 オーストラリア戦(1−0)
 中盤のパス回しが機能せず、苦しい試合展開となった日本。90分間でお互いに1点も決められず、延長戦へ。2試合連続のPK戦かと思われた延長後半4分、それまであまり出番に恵まれなかった途中出場の李が、長友のクロスをダイレクトボレーシュート。これがネットに突き刺さって決勝点となり、アジアカップは日本が王者に輝きました

・3月11日 東日本大震災発生
 25日、29日に予定されていたキリンチャレンジカップ、モンテネグロ戦、ニュージランド戦は中止に。代わりに29日、西日本の長居スタジアムでJリーグ選抜とのチャリティーマッチが開催され、サッカー界からのメッセージを送りました

・6月 ペルー戦(0−0)、チェコ戦(0−0)
 チャリティーマッチに引き続き、3−4−3をテストするも、ほとんど機能せず。本田からは「ぶっちゃけ何−何−何じゃない」とシステム偏重の傾向へ釘を刺す一言も

・8月 韓国戦(3−0)
 香川の2ゴール、本田のゴールでライバルを圧倒。アジアカップを最後に引退したパク・チソンの抜けた穴が大きいのか、韓国の劣化が目立ちました

・9月 ブラジルワールドカップ3次予選スタート 北朝鮮戦(1−0)
 ブロックを作られた相手からゴールを奪い切れなかった日本でしたが、終了間際のCKから吉田がヘディングで決勝ゴール

・9月 3次予選 ウズベキスタン戦(1−1)
 アウェーで行われた試合。日本は苦戦しながらも岡崎の同点ゴールで引き分けに持ち込みます

・10月 ベトナム戦(1−0)
 西川、槙野、藤本、原口など多くの選手をテスト。李のゴールで勝利

・10月 3次予選 タジキスタン戦(8−0)、(4−0)
 参加予定だったシリアの失格により、タジキスタンが繰り上げ参加。実力で一段劣る相手に日本はホームとアウェーの両方で大勝。早々と最終予選突破を決めた。以降の3次予選は消化試合となった

・11月 3次予選 北朝鮮戦(0−1)
 政治的な緊張も心配される中、アウェーの平壌で行われた歴史的な一戦。日本は本田、長友、遠藤を欠く中で0−1の敗戦。ザックジャパン初の黒星を喫しました

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■2012年 〜ブラジルワールドカップに向けて〜

・2月 アイスランド戦(3−1) ブラジルワールドカップ3次予選 ウズベキスタン戦(0−1)
柏木、大久保、田中順など多くの選手をテスト。消化試合のウズベキスタン戦は敗戦

・5月 アゼルバイジャン戦(2−0)
 酒井宏、高橋秀が代表デビュー。香川、岡崎のゴールで快勝

・6月 最終予選スタート オマーン戦(3−0)ヨルダン戦(6−0)オーストラリア戦(1−1)
 日本はホームでの2連戦からスタート。アジアカップを制覇したベストメンバーで臨み、大勝を収めました。アウェーのオーストラリア戦も、結果は引き分けるも、泥々のピッチで試合内容は上々。同時期、ヨーロッパではEURO2012(欧州選手権)が開幕しました

・8、9月 ベネズエラ戦(1−1)UAE戦(1−0) 最終予選 イラク戦(1−0)
 マンチェスター・ユナイテッドに移籍を果たした香川を強行招集したベネズエラ戦、最終予選前のチェックを行なったUAE戦を経て、イラク戦へ。ジーコ率いるイラクに対し、前田のゴールで日本が勝利。スコアは僅差でも、完全に主導権を握った展開でした

・10月 欧州遠征 フランス戦(1−0) ブラジル戦(0−4)
 守備的な試合運びのフランス戦。後半43分、CKのカウンターから今野がドリブルで持ち上がり、香川が決勝ゴールを挙げました。しかし、直後のブラジル戦はアグレッシブな試合を挑み、ネイマール、カカ、オスカル、フッキらの個人技から失点を重ね、敗戦となりました

・11月 最終予選 オマーン戦(2−1)
 アウェーの試合はホームのようにはいかず。清武のゴールで先制するも、後半に同点に追いつかれる苦しい展開。しかし、途中出場の酒井高のドリブル突破から岡崎が押し込み、日本が貴重な勝ち点3を挙げました

■2013年 〜チームの停滞、ジレンマの連続〜


・2月 ラトビア戦
 岡崎の2ゴール、本田のゴールで危なげなく勝利

・3月 カナダ戦(2−1) 最終予選 ヨルダン戦(1−2)
 本田を欠く試合で、日本は香川をトップ下に置いて挑む。しかし、どちらの試合もセットプレーによる失点、さらにヨルダン戦ではカウンターから吉田が抜かれて喫した失点が決勝点となり、ワールドカップ本大会出場の決定は持ち越しとなりました
 
・5月 ブルガリア戦(0−2)
 本田、岡崎を欠く中で、前半は3−4−3をテスト。後半は4−2−3−1に戻すも、総じて出来は低調。ザックジャパン初の連敗を喫し、チーム立ち上げ以来、初めてと言ってもいい重苦しいムードが漂いました

・6月 最終予選 オーストラリア戦(1−1)
 引き分け以上で本大会出場が確定する日本。両チーム共に決定機を迎えながらも決め切れず、0−0で終盤へ。するとオーストラリアはクロスともシュートとも受け取れるキックが直接決まり、先制。しかし、諦めない日本は後半アディショナルタイムに相手のハンドでPKを獲得。これを本田がど真ん中に決めて、ワールドカップ出場が決定しました

 そしてコンフェデレーションズカップを経て、2014年ブラジルワールドカップへ…

清水英斗(しみず・ひでと)//
 フリーのサッカークリエイター。ドイツやオランダ、スペインなどでの取材活動豊富でライターのほか、ラジオパーソナリティー、サッカー指導、イベントプロデュース・運営も手がける。プレーヤー目線で試合を切り取ることを得意とし、著書は、『イタリアに学ぶ ストライカー練習メニュー100 』『サッカー観戦力が高まる〜試合が100倍面白くなる100の視点』『サッカー守備DF&GK練習メニュー100』『サイドアタッカー』 『セットプレー戦術120』など多数。
●twitterID:@kaizokuhide