後半37分にオーストラリアが先制。表情が曇った、川島
【2012年2月24日、アイスランド戦で出場しなかったのを最後に16試合連続フル出場。川島永嗣はザッケローニ監督の絶大な信頼を勝ち得ている。だが、川島が日本代表のレギュラーを勝ち取ったのは、2010年ワールドカップの直前だった。本人にとって、初めて自分で勝ち取ったワールドカップ出場なのだ。】


――初めて自分で勝ち取ったワールドカップ出場ですね。

「ピッチに立っているのといないのとでは違うと思いますね」

そう言うと、そこまで試合中のようにギラギラとした目で記者の質問に答えていた川島は少しだけ笑顔を浮かべた。だけど、それはほんの一瞬だった。

「だけどピッチに立っていると、そういう責任があると思っています。今、決まって思うのは、『自分が本番で何ができるだろう』ということですね」

また、目がギラリと光る。それでも突破の喜びは隠せない。

「日本で決めることができた。これだけ多くの人のサポートを実感したなかで、本大会出場を決めた。今日が特別な一日であるに、変わりありません。こうして、日本のパワーだったり、さらに新しい夢をまた日本全体で見ていけるようにしていきたいと思います」

――日本はなかなか攻められなかったから、集中力を持ち続けるのは難しかったのでは?

こんなちょっと厳しめの質問にも川島はしっかりと相手が納得するまで会話する。

「そういう意味では難しさがあります。でも、自分の中でもピンチになるとしたら、失点したときの形かクロスしかないと思っていました。今日の試合では、(きちんと組み立てながら攻め込んでくる)オーストラリアと対戦するというより、中東のチームと対戦するときのように1本や2本のパスで攻め込んでくるというイメージを試合前に持っていました。だから悔しいですね」

いつも自分を追い込むストイックな川島らしく、また生真面目モードに戻っていた。そこで変化球の質問をぶつけてみる。

――日本代表のおかげで渋谷が交通規制です。

「えっ?そうなんですか?」

今度はやや大きく相好を崩した。やっとみんながどれだけ喜んでいるのか、実感できたのかもしれなかった。