金融株BEST20 銀行株、証券株、リース株etc. の総合ランキング
財政出動、成長戦略という矢に先んじて、黒田日銀総裁がズバリ標的のど真ん中を射抜いたのが金融緩和という最強の矢。これを受けて4月以降、金融株は沸騰。銀行、証券、保険、その他金融という4セクターの中で最も儲かる株は!?


株高・円安で潤う証券、国策のメガ銀、設備投資のリースが有望

黒田日銀総裁の異次元金融緩和で爆騰する金融株。今後もアベノミクス相場の最強セクターとして君臨することは間違いない。その中でも?キング・オブ・キング〞と呼べるのはどのセクターなのか?「有望なのは株高と円安の両面で恩恵を受ける証券」と語るのは本誌初登場の岡三証券取締役・松本貴司さん。

「株取引の活発化で手数料収入が増える面も大きいですが、ここ10年ほど力を入れてきた外債や外貨建て投信の販売急増も追い風です。なかでも、これまで業績が落ち込んでいた分、黒字転換やV字回復に期待できる対面型の中小証券会社に投資妙味があります」

先の衆院選における自民党の公約には、英国を参考例に金融セクターが生む付加価値をGDP(国内総生産)の10%まで引き上げる新金融ビジネス育成が国策として掲げられている。

「2003年から2007年の株高局面では、みずほフィナンシャルグループが当時の株価で5万円台から103万円まで約20倍高しました。昨年末からの3大メガバンク株の上昇率はまだ平均程度。大量保有する国債の暴落懸念があるのかもしれませんが、出遅れた分、今後の上昇余地は大きい」



さらに景気回復で企業の設備投資意欲が増すと、機械や輸送機器などリース業界の収益拡大に直結する。「日銀の異次元緩和でリース会社や消費者金融、クレジット会社の調達金利が大きく低下していることもあり、『その他金融』に分類される金融株には景気回復に連動した息の長い株価の上昇が期待できそうです」

金融株には約5年で最安値と最高値を行き来する値動きグセがある。「2007年以降5年に及ぶ下落サイクルを経て、金融株は昨年11 月に上がり始めたばかり。一度、上昇サイクルに転じた場合、そう簡単に終わることはありません」

金融株の強烈上昇相場はまだまだ続きそうだ。



1位 野村ホールディングス
株高の恩恵も最大級!海外事業も損益大幅改善

業界最大手だけに株高の恩恵も最大級。日経平均株価を大きく上回る値上がり率が魅力の銘柄である。

株や投信、外債の販売拡大に加えて、自己勘定でのトレーディング収益も好調に推移している。これまで経営上の不確定要因だった海外事業も、円安や米国景気の回復、ユーロ不安の沈静化で損益が大きく改善していくと予想される。欧米など海外機関投資家にも“ノムラ”の知名度は高く、人気の銘柄だ。



2位 みずほフィナンシャルグループ
効率アップ余地は他行より大!アベノミクス相場の指標に

三菱UFJ FGや三井住友FGに比べてグループ内の経営効率化がやや遅れていたが、その分、効率アップによる業績向上の余地が大きい銘柄といえる。

発行済み株式数が多く、取引が活発なため、大量の注文を入れるヘッジファンドによる売買も多い。それだけに、この銘柄の売買高が減ってきたら、アベノミクスによる金融株買いが一段落するサインとなる可能性が大きいので、要注目だ。



3位 FPG
リース主体の小さな投資銀行。業績成長性は申し分なし

貨物船やコンテナなどのリースのアレンジとリース商品の販売手数料が会社を支える。M&A(企業の合併・買収)仲介も手がけており、小さな投資銀行の顔を持つ。

最高益街道を直進しており、業績成長性でも申し分のない銘柄である。売上高が100億円に満たない中小型株への投資に抵抗感を持つ投資家が多い今のうちは、この銘柄の上値余地はまだまだ大きいといえるだろう。





※株価などのデータは2013年5月9日現在。各ランキングの順位はテーマ解説者の注目度の高い順に並べた。直近の実績(または予想)が5月9日時点で未発表のものはアナリストコンセンサスのデータを掲載。【目標株価】は日経平均株価=1万6000円、ドル/円=105円をベース算出。【株価出遅れ度】は、株価の出遅れ感が強いほど★の数が多く、【投資安全度】は流動性や事業規模などで算出し、安全度が高いほど星が多い。【投資判断】は目標株価と現在株価の差が大きく、投資の安全度が高い銘柄が高評価とした。掲載銘柄の抽出は岡三証券、順位づけはネットマネー編集部、目標株価や投資判断などのデータはフィスコが担当。

松本貴司
岡三証券 取締役 投資戦略部・経済調査部担当

1991年、岡三証券入社、運用情報部に配属。94年以降、証券情報部(現・投資戦略部)にて中小型株を皮切りに日本株全般担当のストラテジストとして活躍。2011年、取締役に。講演、テレビ出演多数。



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。