こういう金融株は買ってはいけない…
地銀株は時期尚早、投資は地方景気回復を見極めてから

日銀の異次元金融緩和で、金融セクター全体で株価の底上げが進んだ。メガバンクをはじめとする大手銀行株よりも底値からの上昇率が低いからといって、地方銀行株に手を出すのはまだ早いだろう。

金融緩和後、大手銀行も地方銀行も保有する国債価格が上昇し、含み益が急拡大している。ただ、国債価格はほぼ天井圏にあり、これ以上の値上がりは考えにくいだろう。つまり、銀行が今後、利益を積み増すとすれば、本業である融資の回復がカギだろう。

今のところ、政府・自民党は大型補正予算を組み、公共事業で地方経済の活性化を図っている。しかし、公共事業の大盤振る舞いには自民党内でも異論があり、早ければ7月の参院選後に来年度予算での公共事業費縮小論が出てくる可能性がある。

そうなれば、今回の景気回復は2007年の「小泉政権型」と同じく、地方に波及せず、都心部の地価上昇と輸出企業の好業績だけで終わりかねない。地方経済が疲弊したままなら当然、資金需要は伸びず、そこで活動する銀行も利益成長を期待できない。

地方銀行株を買うにしても、都市型の横浜銀行や千葉銀行などに絞りたい。ほくほくFGは規模が大きく、山陰合同銀行は好財務だが、地盤とする営業地域の景気回復シナリオが描きにくく、大手銀行株と同じような値動きは期待できない。

植草 まさし
経済ジャーナリスト




この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。