もはやデビルウイング! 愛知県・名古屋っ子が愛する手羽先の味わい方

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名古屋名物の手羽先唐揚げは、今や全国区。有名店が東京など他都市にもどんどん進出している。しかし、製法や食べ方について誤った認識も浸透しつつあるのは困ったことだ。そこで、地元名古屋在住のライター石黒が手羽先唐揚げをゼロから解説したい。

まずは製法だ。唐揚げといっても、名古屋風は一般的な唐揚げのようにゴテゴテと衣は付けない。では素揚げかというとそうでもない。かたくり粉を軽くはたく程度に衣は付いている。ココがいわゆる一般的な唐揚げと、決定的に違う点。

そして揚げ方だ。一般的な名古屋風は、実は二度揚げがポイント。まず低温の油でじっくりと揚げ、オーダーが入ってから再度、高温で揚げている。

こうすることで、中はふっくら、外はカリッとした食感となる。そこにタレをざざっと塗りゴマをかけて完成。味はどんな店でもできたてに勝るものはないが、いわゆる有名店はどこでも、そのままレンジにかけられるテイクアウトの紙箱が用意されている。

ここで、名店と呼ばれる3店の手羽先唐揚げを比較してみよう。ひとつ目は、元祖・手羽先唐揚げの「風来坊」。手羽先唐揚げはもともと、ガラ程度にしか使われなかった手羽先を有効利用できないか、と研究されてできた商品だった。つまりこの味が、全ての手羽先唐揚げの基準となる味。テバサキ・ジ・オリジンなのである。

ちなみに、風来坊はのれん分けシステムで、看板メニューの手羽先唐揚げ以外は、各店舗で微妙にメニューが違うので、それも覚えておきたい。

●Information

風来坊御器所店

名古屋市昭和区台町3-6



2つ目は、もはや手羽先唐揚げの代名詞と言うべき「世界の山ちゃん」である。山ちゃんの手羽先唐揚げのすごいところは、自他共に認めるパクリ商品であるにも関わらず、それを更に進化させて世界で最もビールによく合う(ライター調べ)おつまみにしてしまったことだ。

コショウは、風来坊のオリジナルに比べて明らかに強めで何ともスパイシー。食べる度にビールが欲しくなるデビルウイングに変身させてしまった。

●Information

世界の山ちゃん金山総本店

名古屋市中区金山3-13-21



3店目は、名古屋ローカルの「つばさや」。風来坊や世界の山ちゃんに比べると知名度は劣っているが、味の面ではなかなか侮れない。

ココの手羽先唐揚げの特徴は、何といっても辛さを4段階に分けていることだ。コショウをかけずに高齢者や子供でも楽しめる甘口から、一味で味付けした激辛など、他店にはないアプローチでファンが多い。

●Information

つばさや桜山店

昭和区桜山町5-95-1フォレスト桜山ビル1F



3店の手羽先唐揚げを比べてみよう。まず形だが、実は鶏肉の部位で言えば、手羽先は先っぽ(手羽先)とつけ根(手羽中)の2つに分けられる(ややこしい)。で、風来坊とつばさやは手羽先の部分をカットし、手羽中の部分だけを使用している(だったら、手羽中の唐揚げじゃないか、という意見はスルー)。

かたや、山ちゃんは手羽先本来の姿で使っている。サイズを比べると、風来坊の手羽先は他の2店より明らかに小さい。ただし、風来坊は持ち帰りだと手羽先6ピースで1皿(420円)なのに対して、他の2店は5ピースで1皿。1皿当たりのボリュームは大差ないと言って差し支えない。

ちなみに風来坊のサイズは長さ7cmと決まっているそうで、これが「基準サイズ」であることは間違いない。

手羽先には骨が多いため、「どうやって食べたらいいの?」という質問も多い。実はコレ、「自由に食べたらいい」のである。とは言え各店では、その店なりの 「おいしい食べ方」をレクチャーしている。

例えば、風来坊でははし袋の裏で「おいしい食べ方」を紹介しており、風来坊ではサイトに4種類も食べ方をアップしているのだ。その中から、もっともベーシックと思われるものを紹介しよう。

(1)先っぽ(手羽先)とつけ根(手羽中)を分ける

(2)手羽中を下から2つに裂く

(3)それぞれの部分で食べる。手羽先もコラーゲンたっぷりなので食べよう



名古屋への旅の際には、是非オーソドックスな地元っ子ならではの食べ方も参考にしながら、各店舗の手羽先唐揚げをエンジョイしてほしい。