クライヴ・オーウェン
 - Pascal Le Segretain / Getty Images

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 映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』のクライヴ・オーウェンが、新作『シャドー・ダンサー』について語った。

 同作は、1993年にIRA(アイルランド共和軍)の女性コレット(アンドレア・ライズブロー)は、地下鉄爆破未遂の容疑で逮捕され、MI5(イギリス情報局保安部)の捜査官マック(クライヴ・オーウェン)によって、服役か情報屋か究極の選択を迫られ、彼女の人生が変化を迎えるというサスペンスドラマ作品。監督は、映画『マン・オン・ワイヤー』のジェームズ・マーシュがメガホンを取った。

 IRAについて「イギリスで育つと、IRAの存在は僕ら人生の一部と思えるくらい、常にニュースや人々の会話になっていた。この映画の舞台ベルファストには80年代の後半に1週間訪れたが、その時はまるで戦地に居るようで、兵士が街を歩いていたよ」と答え、出演経緯については「僕はテレビ映画『私が愛したヘミングウェイ』に出演し、ほとんど準備期間もなく今作に加わったが、脚本が素晴らしい構成で、特に何も準備する必要がなかったほどだ」と語った。

 映画内のコレットとマックの関係が面白い。「マックはコレットと恋に落ちるわけではなく、彼女の境遇に共感や同情を持って理解しようとする。でも、その関係を惑わすキスシーンがあり、僕はそのようなシーンが(描かれるのは)まれだと思ったんだ。そして、そのシーンが二人の関係を複雑にさせてしまうのも興味深い」と述べた。

 ドキュメンタリーでオスカーを受賞したジェームズ・マーシュの長編の演出は「彼は僕ら俳優に信頼を置き、僕らが演技に盛り込んだものを使うが、カメラの設置やどの映像を捉えるかに関してはかなり明確で、その配置やカメラの使い方で、このような複雑なストーリーもうまく描かれていた。それは、ドキュメンタリーの畑で彼が培ってきた繊細なものだと思う」と語った。

 映画は、ほぼ全てのキャラクターが白黒はっきり付けられない設定であることが、このサスペンスドラマをより興味深い作品に仕上げている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)