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3月15日、安倍晋三首相によるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉への参加表明が行なわれた。

さらに、日本のTPP交渉参加に向けた日米事前協議が決着し、TPP交渉参加11カ国のすべてから日本の交渉参加が認められた。

これにより、早ければ日本は7月以降のTPP交渉に参加できることになった。TPPの内容、その課題・問題点については、今さら紙幅を割いて述べなくてもいろいろなメディアを通じて、ご存じだと思う。

それよりも問題は、日本が現在、TPP以外にもさまざまな自由貿易協定の交渉に入っているにも関わらず、国内の議論がなぜかTPPのみに集中していることにある。

3月末には、日中韓FTA(自由貿易協定)の第1回交渉会合が開催され、4月15日からは日本とEU(欧州連合)のEPA(経済連携協定)交渉が始まった。

5月にはASEAN(東南アジア諸国連合)の10カ国と日本、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドの周辺6カ国のEPAであるRCEP(東アジア地域包括的経済連携)交渉がスタートする。

つまり、日本にとって今世紀最大の自由貿易・経済連携協定の交渉が動き出したのだ。しかし、国内の議論はTPPのみに集中している。当然のことながら、各協定では参加各国の市場開放が目標だ。加えて、貿易や投資に関するルール作りが行なわれる。

こうしたルール作りにおいて、自国の有利になる条件を獲得できるかどうかが焦点になる。

そのうえ、現在はTPP、日中韓FTA、日EU・EPA、RCEPと複数の協定交渉が同時進行の状態にある。

複数の交渉が進められている中で、各交渉で異なるルール作りが行なわれれば、日本企業はそれぞれの協定ごとに違ったルールを順守しなければならなくなり、協定締結のメリットを大きく損なうだろう。

このため、政府は各交渉で整合性の取れたルール作りを進める必要がある。同時進行する交渉で共通化されたルールを導入することができれば、日本企業にとっては大きなメリットとなり、新たなビジネスチャンスが生まれるだろう。

今こそ、新貿易時代への突入を日本にとって有利にし、日本経済を復活に導く戦略が重要になっている。



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。