ホン・サンスの魅力を語った菊地成孔とハン・トンヒョン氏

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新作「3人のアンヌ」公開を記念し、オーディトリウム渋谷で開催中の特集上映「ホン・サンス監督特集プラスワン」で6月2日、ホン・サンス作品のファンを公言する音楽家の菊地成孔とハン・トンヒョン日本映画大学准教授によるトークイベントが行われた。

菊地は、個人的に好きな作品として冬のソウルで出会いと別れを繰り返す映画監督の姿をモノクロ映像で描いた「次の朝は他人」(2011)を挙げ、「ホン・サンスは多作なので、そのすべてを見ているわけではないのですが、自分が見てきた中で『次の朝は他人』は圧倒的に美しい。画面構成も美しいし、出てくる女の人たちも美しいし、雪も、キスも、とてつもない美しさで、感動してしまう強さがあります」と絶賛する。

そして、ホン監督の作風を「世の中すべてマーケット、ハッシュタグの時代で、分類して落とし込みをしたいという風潮に、ホン・サンスは真っ向から対立している」といい、「ホン・サンスの映画は、3種盛り。ゴダールの画面構築に、ロメールのストーリー、そして物語構造に少しブニュエルという感じがする。もちろんそれだけではないとても豊潤な作家ですが、露骨な3種盛りをしている」と指摘する。

ハン氏は「ホン・サンスの映画は解釈が自由で開かれている感じする」と語り、菊地の意見を受けて、「3種盛りがサラダだとしたらそのドレッシングというか、盛っている感を感じさせないのが、意外と、実は韓国のベタな部分なのかなと。必ず焼酎を飲んでいるとか、あんまり土着じゃないようにみえて、ロケーションだったり食べているものだったりやっていることに韓国な部分があって、そこが3種盛り感を感じさせていない要素なのかなと思ったりします」と持論を述べた、

また、菊地はイザベル・ユペールを主演に迎えたことで話題の新作「3人のアンヌ」について「これほんとうにおもしろいです。一言で言ってしまうと熟女ものですね」。「兵役に行った韓国の男の子の大胸筋と、60才のヨーロッパ女性二の腕がぷるぷるした映画(笑)。たまんないですよ(笑)」と独自の視点で見どころを語り、会場を笑わせていた。

「ホン・サンス監督特集プラスワン」は、6月1日から7日まで。「3人のアンヌ」は6月15日公開。

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