日経平均が1143円安となった5月23日の大暴落で大きなダメージを被った個人投資家たちの姿に「ザマーミロ」とつぶやき、下落の止まらぬ日経平均株価に「もっと下がれ」とつぶやいた人、意外と少なくないのでは。その感情、少しわかるなあ。ひがみとかジェラシーではないんですよ。関東の中堅繊維メーカー50代社員が語る。
 
「メディアも会社の仲間も、やれ株高だ、アベノミクス相場だと騒いでいましたが、投資をまったくやらない私にとってはどうでもいい話。給料が上がってくれるなら大歓迎ですが、それだっていつになるかわかったものじゃない。
 
 四半世紀前のバブル時代みたいに浮かれた若手がいてイヤ〜な気分でしたが、株価がガクンと落ちて、『やっぱりね』ですよ。今ほど『世の中そんなに甘くない』って言葉がぴったりな時はないんじゃないですか」

 確かに一本調子のアベノミクス上昇相場は新米投資家を市場に呼び込んだ。ネット証券大手5社が公表している口座数の合計は、今年3月末時点で約655万口座と、1年前よりも約53万口座増えた。

 株高で億万長者になる「億り人(おくりびと)」なる言葉も誕生したが、実際に株取引をしている庶民は多数派ではない。投資に無縁な人々は、こうしたアベノバブルの狂乱ぶりを冷ややかに見ており、大暴落で大損を被った人々の様子を「ほらみたことか」と溜飲を下げている。

※週刊ポスト2013年6月14日号