早起きはどうも苦手で……という人は、起きてすぐに日光を浴びるといい。(PIXTA=写真)

写真拡大

先日、『脳を最高に活かせる人の朝時間』(すばる舎)という本を出させていただいた。そうしたら、発売してすぐに重版がかかった、と担当の編集者からメールがきた。

編集者には悪いけれども、少し意外だった。そんなに、朝の時間の活用に興味を持っている人がいるのか、と改めて思ったのである。

もともと、私は朝時間の活用が得意らしい。自分でも気づかないで当たり前にやっていることが、どうやら他人には参考になるようなのである。朝時間の活用の仕方について、今回は書いてみたい。

まず、朝なかなかすっきり起きられないという人がいる。そんな人には、起きてすぐに外の光に当たることをお勧めしたい。

私の場合、目覚めてすぐに近くのコンビニまで買い物をかねて散歩に行くことにしている。これで、脳と体のスイッチが入る。網膜から入った外光の刺激は、脳内時計の中枢である視交叉上核で処理され、「朝がきた」と脳が認識する。そのことによって、脳内のさまざまな回路の働きが活性化するのである。

ベッドから起きた自分に対して、何か「ご褒美」を用意しておくことも有効である。私の場合、仕事机で、まずはコーヒーを飲み、チョコレートを食べることにしている。

「ベッドから出て、机のところまで行けば、いいことがある」と自分の脳に習慣化づければ、自然に、朝起きたらすぐに仕事を始めよう、というモードに入ることができるのである。

朝時間の活用が今注目されているのは、時代が変化する中、貴重な朝の時間を勉強や仕事に活用したい、という人が増えているからだろう。

私の場合、家を出なければならない時間の、だいたい2時間前には起きることにしている。食事や、シャワーを浴びたりする手間を除いて、実質1時間くらいは、勉強や仕事に活用することができる。

脳は、夜眠っている間に、前日のさまざまな体験を整理し、側頭連合野の回路に記憶する。従って、朝目覚めたときは、記憶の整理が終わって、いわば「すっきり」した状態になっている。

朝の時間が「ゴールデン・タイム」といわれる理由は、ここにある。集中して仕事をする条件が整っているのである。「朝を制するものが人生を制する」は過言ではない。

私は、起きてすぐメールを見たり、ツイッターやフェイスブックをチェックしてエンジンを始動する。そして、家を出る前に、一仕事済ませてしまう。1日の最初に、いきなりトップ・スピードで活動することで、その後の仕事のリズムがつくられる。

朝の時間で見逃せないのは、ミーティングや連絡で邪魔されることが比較的少ないということ。昼間の時間は、どうしても他人に会ったり、用件があったりして邪魔される。朝は、世間がまだ始動せず、静かなので、自分にとって本質的な活動に専念することができるのである。

英語力を磨くのでも、気になることについてアイデアをまとめるのでも、仕事上のテーマについてリサーチをするのでもいい。朝の時間に集中して取り組むことによって、人生の階段を確実に上ることができるのである。

自分自身のこれまでをふり返っても朝は、確かに大切だと実感する。私は、朝時間の活用が、確かに巧みだった。友人と旅行したときなど、朝私がさっさと起きて仕事をしているのでびっくりされることがある。

あなたも、朝時間の活用で、人生を元気にしませんか?

(茂木 健一郎 写真=PIXTA)