TOPIX(東証株価指数)も年初来高値を連続更新と、相変わらず絶好調の日本株市場。値上がり銘柄数を見ても、東証1部の約1700銘柄中、1300銘柄が上がった日があるなど、何を買っても大丈夫な気が…。でも選別は必要だ!


政府が中小企業の交際費課税の軽減を決めた。中小企業支援と景気刺激策を兼ねたもので、ゴルフ場やレストランで領収証をもらう経営者やサラリーマンが増え、株価を刺激しそうだ。

企業の交際費はバブル後半のピークには推定6兆円に上ったが、今では2兆円台に落ち込んだと見積もられている。接待費の減少には、景気低迷に加え、交際費の課税が大きく影響しているというのが産業界の言い分だった。

そこに経済界の代弁者として自民党が政権復帰し、交際費の軽減が実現した。ちなみに自民党側の旗振り役は麻生太郎副総理兼財務相。麻生コンツェルンを率いて経営者の感覚を併せ持っているだけあって、中小企業主の気持ちをつかむのが実にうまい。

これまでは年600万円を上限に、使った金額の9割を損金扱いにできた。しかし、今度は上限が800万円に引き上げられ、しかも全額を損金に計上して売上高から除外し、法人税の課税額を圧縮できることになったのだ。

交際費の損金算入が拡大されたことで、税金として納めるよりも得意先の接待費として飲食店に支払うのも、会社の金庫から出ていく金額は同じ。ならば、少しでも社業にプラスになる接待に充てるのが経営者の自然な判断だろう。

企業の接待予算が増えれば、飲食店に加えて高額贈答品を扱う百貨店や宿泊施設にも社用の客が増えることになる。夜の街に人が戻れば、タクシー業界が潤い、中元・歳暮のやりとりが活発になれば、ハムや缶詰などの食品メーカーや宅配便業者も忙しくなる。これまでデフレ不況期に苦しんできた企業が、軒並み元気を取り戻していく様子をイメージすればいいだろう。

一方、デフレや低価格競争を味方に伸びてきた銘柄は、やや分が悪いかもしれない。投資家がデフレ銘柄から脱デフレ銘柄に乗り換えることで、業績は悪くなくても株価が低調な動きを強いられる場面が多くなっていくだろう。

エービーシー・マートやしまむら、ファーストリテイリングといった、輸入品による低価格販売を武器に成長してきた企業の動向には注意したい。円安対策が出れば買い、出なければ売りだろう。

※株価は2013年5月9日現在、JQ=ジャスダック。



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。