AKB48の峯岸みなみが元巨人軍投手で野球解説者の江川卓に「辛い出来事はどうやって乗り越えるのですか?」と率直に尋ねたところ、彼の体験に基づく丁寧なアドバイスが返ってきた。プロ野球にはあまり詳しくないという峯岸は江川の「空白の1日事件」も知らないが、伝わるものがあったのだろう。彼の言葉に聞き入ると感激で目を潤ませていたように見えた。

高校野球時代からノーヒットノーランや完全試合、奪三振記録などを残した江川卓投手は「怪物江川」と呼ばれる逸材だった。その彼が、法政大学4年生の時にドラフト会議でクラウンライターライオンズに1位指名されるが拒否。その後アメリカに留学し、翌年のドラフト会議の前日に希望する巨人軍と契約を交わす。これが「空白の1日事件」と呼ばれるものだ。

巨人の抜け駆け契約という形となり他球団の反発でドラフト会議はこじれるが、最終的に江川投手を指名した阪神に一旦入団して、小林繁投手と交換トレードという形で江川投手は巨人に移籍する。この件で彼は世間の大半から悪役と評価されて、バッシングを浴びてしまうのだ。

それでも彼は巨人軍の投手として、数々の名勝負を繰り広げて実力で人気を回復していく。退団後は他球団へ入ることもなく野球解説者として活動しているが、その解説が結果論でなく試合の展開を予想する大胆なもので、それが的を射ていると評判となっている。

5月26日の『行列のできる法律相談所』では、「野球ファンに聞いたNo.1野球解説者」として彼が出演したのだ。この日は「世間がザワザワする1位」ということで、AKB48研究生の峯岸みなみもゲスト出演していた。

峯岸みなみといえば今年の1月31日に週刊誌でスキャンダルを報道されたことから、頭を丸刈りにして涙ながらに謝罪した動画を公開して世界的に話題となった。AKB48の恋愛禁止のルールを破ったことから、正規メンバーから研究生に降格されて活動を続けている。

江川は「30年前は一番、評判が悪かったんですよ」と過去を振り返ると、峯岸が「そういう、辛い出来事ってどうやって乗り越えるのですか?」と尋ねた。すると江川も彼女の丸刈り謝罪の件は知っているので、真剣に答えてくれたのである。

「『いつかきっと一生の最後の時に、みんなに分かってもらえる時が来るかな』とイメージすることですね」、「でも、辛いと思います。しばらく我慢するしかないですね。時間ってものを変えますから、いろんなことを変えるのでもうちょっと待って頂くといいかも」とアドバイスをした。

その言葉をスタジオ中が聞き入っており、共演していたタレントの伊集院光は「この話を江川卓が言うのは、ものすごいことですよ」と興奮していたほどだ。

彼の目を見ながらじっと聞いていた峯岸の目も潤んでいるように見えたが、MCの東野幸治から「あなたはピンと来ていないでしょ?」と突っ込まれると「重みは分かりませんが、でも分かります」と微笑んだ。

峯岸みなみはAKB48研究生としての活動について「14歳〜15歳の中に、20歳が交じって踊るので大変は大変です」と話していたが、こうしてバラエティ番組にも出られるようになり、気持ちは前向きになってきたようだ。江川卓の言葉を噛み締めて後は頑張るしかない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)