木下惠介監督最後の弟子・本木克英監督

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松竹の本木克英監督がこのほど、日本を代表する映画監督・木下惠介の生誕100周年記念作品として製作された「はじまりのみち」を観賞した。本木監督は、木下監督が晩年に手がけた「父」でフォース助監督を務めており、いわば最後の弟子。観賞後にコメントを寄せており、今作への並々ならぬ思い入れをうかがわせた。

本木監督は、早大卒業後の1987年に助監督として松竹に入社。木下監督をはじめ、森崎東監督、勅使河原宏監督らに師事し、98年に「てなもんや商社」で監督デビューを果たす。近年では「ゲゲゲの鬼太郎」「鴨川ホルモー」「おかえり、はやぶさ」などのメガホンをとっている。

師匠としての木下監督は「明るく無邪気に現場を楽しむいっぽう、人間の虚飾を見抜く鋭い眼力があり、気が抜けませんでした」と述懐。また、「戦争や権力によって理不尽に奪われた、弱く純粋な命へ心を寄せていました。『男らしくあれ』『日本人として』といった勇ましい言葉の欺まんを嫌悪し、弱音を吐いたり甘えたりする、少年や女性たちを愛していらしたと思います」と語った。

原恵一監督が初めて手がけた実写作品となった今作について、「原恵一監督の詩情と重なるように、木下映画の本質が見事に浮かび上がり、胸に迫る。この映画ができてよかった」と絶賛。さらに、「クロサワと双璧をなし、無償の愛の強さを描いた監督がいたことを、多くの日本人に知ってもらいたい」と訴えている。

加瀬亮が木下監督を演じた今作には、田中裕子、濱田岳、ユースケ・サンタマリアらが出演。「二十四の瞳(1954)」「楢山節考(1958)」など数々の名作を世に残してきた木下監督が、脳いっ血で倒れた母を疎開させるためにリヤカーを引いて山越えしたというエピソードをもとに、母への思い、映画監督としての挫折と再生を描く。

「はじまりのみち」は、6月1日から全国で公開。

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