『新スタートレック』でピカード艦長を演じたパトリック・スチュワートは、人権擁護組織アムネスティ・インターナショナルの支持者としてもよく知られている。その彼が、両親の抱えていた苦しみをファンに明かした。

この発言が飛び出したのは、米テキサス州ヒューストンで先週末に開催されたイベント「COMiCPALOOZA」でのこと。女性への暴力に反対するパトリックのスピーチをYouTubeで見て感銘を受けたファンが、舞台やTV・映画の仕事以外で誇りにしていることについて尋ねたのがきっかけだった。

そこでパトリックは、ドメスティック・バイオレンス(DV)に苦しむ母子にセーフハウスを提供するイギリスの人権団体に協力していることを話した。そして、パトリックの母親もDVの被害者であり、苦しむ母親を子どものときに助けてあげられなかったのを悔やむ気持ちが、いまの原動力になっていると明かしたのだった。

その生い立ちから、加害者の父親にパトリックがよい感情をもっていなかったことは容易に想像できる。しかし、そんな父親への印象を変える出来事が昨年あったのだとか。

パトリックの話によれば、父親がのこした書簡を整理しているときに、第二次大戦中の経験がもとでPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされていたことを知ったのだという。いまでこそ解決法が用意されている戦争後遺症だが、当時の帰還兵は、ただ我慢して男らしくしろ、と言われただけだった。父親がずっと後遺症を引きずって生きていたことを悟ったパトリックは、新たに、帰還兵の心のケアをする団体にも協力しはじめたという。

これらの話のあと、「あなたは大丈夫ですか?」というパトリックの問いかけに、「被害者である自分が恥じることはないという、あなたのスピーチで私は救われたんです」と答えた質問者。それを受けてパトリックは、「母は周囲から、"挑発したのはあなたでは?"と言われていたが、どんなときでも男は決して暴力を振るうべきではないんだ!」と強い口調で訴え、質問者を優しくハグ。会場は満場の拍手で包まれた。

パトリックの生い立ちはすでに一部では知られていたが、今回ファンの集いで見せた本人の毅然とした態度と決意に、多くの人が強く感動したようだ。(海外ドラマNAVI)