『オブリビオン』のジョセフ・コシンスキー監督

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トム・クルーズが『マイノリティ・リポート』(02)以来、11年ぶりにSF映画の主演を務めたことで話題の『オブリビオン』(5月31日公開)。メガホンを取ったのは、監督デビュー作『トロン:レガシー』(10)で、スタイリッシュな映像美を見せつけたジョセフ・コシンスキー監督だ。来日したコシンスキー監督にインタビューし、トムとのとっておきの撮影エピソードについて聞いた。

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エイリアンの襲撃で人類が他の惑星に移住した2077年の地球を舞台にした本作。トムが扮する主人公のジャックは、高度1000mの上空から地球を監視する任務を遂行している。彼がある日、運命の女性と出会い、その後、衝撃的な真実が明かされていく。初めてトムと仕事をしてみて、一番驚いたのは彼の人柄だったというコシンスキー監督。「彼はトップスターになってから30年も経っているのに、今でもしっかりと地に足がついているし、とてもフレンドリーなんだ」。

トムがいることにより、撮影現場にリラックスしたムードが流れることも多かったそうだ。「現場って、いつも予期せぬことが起きるでしょ。スタントが上手くいかなかったり、セリフを忘れたりすることってよくあるよね。みんなが集中しているけど、そんな時、トムは緊張感をほぐしてくれる役割をしてくれたりするんだ。彼はいつも非常に良いエネルギーを出している」。

本作で、モーガン・フリーマンがキーマンとして登場するが、トムとモーガンは意外にも本作が初共演となった。ふたりのシーンを撮る時、監督はかなり興奮したそうだ。「まず、このふたりが僕の映画に出てくれること自体がすごい!しかも、それが初共演ってことで、非常に思い出深い作品となった。ふたりの共演シーンでは、お互いをリスペクトし合っていたよ。大スター同士だからこそ、非常に良い関係だった。時々、ふざけてお互いを笑わせてしまい、NGが出てしまったこともあったかな(笑)」。

本作の撮影中、トムは50歳の誕生日を迎え、コシンスキー監督は劇中に登場するバイクを彼にプレゼントしたそうだ。「撮影では、いろんなスタントをやるので、バイクなどの乗り物は予備を作っておかなければいけないんだ。今回は3台作り、1台は完全に壊れてしまった。その実際に乗ったバイクの1台を、彼にサプライズでプレゼントしたんだ」。

バイクを手にしたトムは大喜びしたという。「とにかく嬉しそうだった。トムは、オートバイ、飛行機、スノーモービルなど、乗り物が大好きなんだよ。たくさんコレクションをしている彼に、誕生日のプレゼントとして何をあげようかと思案したんだけど、さすがにあの特注バイクは持っていないはずだからと思って、あれに決めたんだ」。

ちなみに、劇中のように折り畳み可能なのか?と尋ねると、監督は「あれは映画の中だけ。折り畳みは無理なんだ」と苦笑い。でも、近未来のバイクであっても実際にとても機能的な作りにしてあるという。また、劇中に登場するバブルシップという乗り物も、ベル47というヘリコプターの初期のデザインと最先端の戦闘機を融合させたデザインにしてあるそうだ。「SFだからこそ、見て信じられるもの、本物っぽいリアル感を出したデザインにしているよ。スカイタウンもバブルシップもオートバイも、全て機能重視の作りなんだ。単なる映画の小道具じゃないよ」。

最後に、本作の見どころについて聞いた。「ストーリーの巧妙さかな。非常にひねってあり、先が見えないという展開が魅力の作品だと思う。いろんな謎解きがあるので、それを楽しんで見てほしい」。確かに、様々な伏線があり、最後の最後に、非常に味わい深い着地点を迎えるという作品だ。細部の細部までこだわり抜いた映像美にも酔いしれてもらいたい。【取材・文/山崎伸子】