英語習得のコツを30カ国語が話せるマルチリンガルに聞いてみた

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「今年こそ英語をしゃべれるようになる!」という決意を胸に学習し始めたのに、あっというまに挫折した人は少なくないはず。語学が堪能だったら仕事の幅も転職の可能性も広がると分かっていても、なかなか勉強は続かないものですよね。

どうすれば短期間でばっちり習得できるのか、30カ国語を操る語学の達人・李久惟(ジョー・リー)さんに、勉強のコツを聞いてみました。

――「語学の勉強に挫折した」という人はとても多いですが、何が原因だと思いますか?

ジョーさん「単純に、目標をしっかりと決めていない人が多いように感じます。漠然としたイメージしかなければ、いつまでたってもしゃべれるようになんてなりません。いつまでに話せるようになりたいのか、語学力を何にいかしたいのかをしっかり決めることが、上達への近道となります」

――目標を決めたら、まず何から始めたらよいでしょうか?

ジョーさん「”マイ・ノート”を用意しましょう。しゃべりたい内容や専門分野、趣味は人によって異なるのだから、参考書をそのまま覚えても役にたちません。でも、例えばひとつのセンテンスに自分がよく使う単語をあてはめて記しておけば、とっさのときにその一言が出てくるようになります」

――その「とっさのとき」が訪れるまで、どのようにして反復練習すればよいですか?

ジョーさん「みなさん日常的に頭の中でいろんなことを考えていますよね? 例えば『今夜は何を食べようかな?』とか。その脳内作業を意識して英語に置き換えてみるだけでも大分違います。だって、毎日自分自身と英語で対話することになりますから」

――モチベーションを保つコツってありますか?

ジョーさん「不思議なことに、『しゃべりたい』という気持ちが強く、またそれに見合った努力を続けていると、”引き寄せの力”が働くようになります。学ぶほどにチャンスが増え、『練習していたかいがあった』と感じられるでしょう。

例えば、目的とする言語を話せる友達が寄ってくるようになったり、外国人が参加するパーティに誘われたり。興味があるものが向こうからやってくるようになるんです。いいかえると、努力を続けることで自分の目でチャンスが”見える”ようになるんでしょうね」

――「マイ・ノート」に記録していたことや頭の中でしゃべっていたことを確実に自分のものにするための秘策はありますか?

ジョーさん「ノートやブログ、携帯電話のメモ帳に書きとめたことに関しては、定期的に整理するといいですね。ふと時間がすいたときなんかにグループ分けしたりするだけでも、ふだん自分がどんなことをしゃべっていて、どんな単語をよく使うかが一目瞭然となり、補強したい箇所や追求したい箇所がおのずとみえてきます。

実際にネイティブと対話する際は、相手の言葉づかいだけでなく、表情や動きも監察してマネをすることで、外国語での会話においても感情をうまく表現できるようになりますよ」

――ほかにもコツはありますか?

ジョーさん「近所に、外国人もよく集まる公園なんかがあれば遊びにいってみるのもいいですよ。かわいい犬を連れて散歩している人がいたら、『かわいいですね』って話しかけてみてはいかがでしょうか。

『話す環境がない!』って嘆く人は多いですが、環境やきっかけは自分で作るもの。”I’m not ready.(私はまだまだ)”と思っていると、いつまでたっても上達しません。是非、今度の休日にでも会話を”実践”できそうな場所に足を運んでみてください」

■プロフィール

李久惟(ジョー・リー=Joe Lee)

マルチリンガル講師。1975年台湾生まれ。幼少期、イギリスの寄宿学校で過ごし、休暇のたびにスペインやフランスなどにホームステイする過程で、世界中の言語や文化に興味を持つ。95年来日、東京外国語大学入学。在学中より様々な業界で通訳・翻訳家として活躍。卒業後は台湾新幹線プロジェクト(技術マニュアル翻訳、座学講義通訳など)や参議院議員海外関連公務、IT関連会社の社員トレーニング、語学教育システム構築などにおいて幅広く活躍。また、各種スポーツの国際大会、映画祭などでも通訳を担当している。