不動産5,000万円を相続する際の税金っていくら払うの?「えっ税金0円?」

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不動産を実際に相続する際には相続税がかかります。日本は相続税が高い国といわれますが、実際にはどのような仕組みになっているのでしょうか。税理士さんに聞いてみました。

――不動産を相続する際の税金について知りたいのですが。

具体的な例で考えてみましょう。どんなケースを想定しますか?

――例えば、父親が死んで、遺産相続するのが母親(65歳)、長男(31歳)、次男(28歳)、不動産が建物土地で5,000万円とするとどうなるでしょうか。

■想定ケース
遺産相続人:母親(65歳)、長男(31歳)、次男(28歳)
遺産:土地建物(評価額):5,000万円

分かりました。話を簡単にするために「課税価格」(※)が5,000万円ということで考えましょう。

相続税には「基礎控除」というものがあります。税金の免除される金額が決められています。5,000万円と相続人一人につき1,000万円までです。

この場合は相続人が3人ですから、
5,000万円 + 1,000万円 × 3人 = 8,000万円

遺産総額が8,000万円以下であれば相続税はかかりません。つまり、このケースでは遺産が土地建物(評価額5,000万円)という設定ですので。税金はゼロで済みますね。

――えっ、税金なしで済むんですか。

はい(笑)。そういうことになりますね。ちなみに相続分は母親が50%ですので2,500万円、長男と次男で残りを折半になりますので、1,250万円ずつということになります。

相続が発生する前に売却すると税金がかかる可能性があります。このケースでは明らかに相続した方がお得でしょう。

――例えば土地建物のほかに貯金が4,000万円ほどあったらどうなりますか?

その場合は、課税価格が9,000万円になりますね。基礎控除が8,000万円ですので、
9,000万円 – 8,000万円 = 1,000万円

この1,000万円が課税対象(課税遺産総額)になります。母親が半分の500万円、長男と次男が250万円ずつが課税相続分になります。相続税の(早見)計算表は以下のようになっています。

■「法定相続分に対する取得金額」による相続税の計算

1,000万円以下 税率:10% 控除金額:−
1,000万円超-3,000万円以下 税率:15% 控除金額:50万円
3,000万円超-5,000万円以下 税率:20% 控除金額:200万円
5,000万円超-1億円以下 税率:30% 控除金額:700万円
1億円超-3億円以下 税率:40% 控除金額:1,700万円
3億円超 税率:50% 控除金額:4,700万円

1,000万円以下の場合は、控除金額0円で税率10%ですので税金は以下のようになります。

母親:500万円 × 10% = 50万円
長男:250万円 × 10% = 25万円
次男:250万円 × 10% = 25万円

――このケースですと、基礎控除を1,000万円超えているだけなので何とかしたいですね。

そうなんですよ。そこで、その土地の評価額は確かなの? ということになります。

――あ、そうか。評価額が下がって、例えば4,000万円になれば、貯金と足しても8,000万円なので基礎控除の範囲で無税で済むんですね。

そういうことですね(笑)。ですから不動産相続の場合には不動産鑑定士さんとうまく折り合いをつけることが大事ですね。まあ、政府が公示価格などを発表しているのであまりむちゃなことはできませんが。

もう一つ重要な点があります。今年(2013年度税制改正大綱)で、前述の「基礎控除」が3,000万円、相続人一人につき600万円に下げられてしまうことが確実になっています。

ですから、前述の5,000万円の土地建物を相続するケースでも、

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

となって、200万円が課税対象(課税遺産総額)になってしまいます。

――それはヒドイ。土地の鑑定をやり直して200万円下げましょう。

そういう計算をいろいろするのが節税になるわけです(笑)。

筆者の家などは高価な評価額の土地建物など持っていませんので、相続税に悩まされたりすることはありません。どうも無税で済みそうです。しかし、億を超える不動産を持っている家は……これはあらかじめ電卓をたたいておいた方がよさそうです。


※……このケースでは話を簡単にするために「課税遺産総額」の算出を簡略化しています。実際には「相続、遺贈、死因贈与で取得した財産」に「みなし相続財産」「3年以内の贈与財産」を足し、「非課税財産」「債務、葬儀費用」を引いて「課税価格」を算出します。この「課税価格」から「基礎控除」を引いたものが「課税遺産総額」になります。

(高橋モータース@dcp)