7月20日公開予定のスタジオジブリ新作映画・「風立ちぬ」。先日、主人公・堀越二郎の声を、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの総監督で知られる庵野秀明さんが務めることが話題になりました。

 庵野監督がかつて「風の谷のナウシカ」のラストの巨神兵登場シーンを手掛けたことはジブリファンの間では有名な話。昨年、都内で公開された特撮展覧会「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」では模型の巨神兵が展示され、全国各地でも随時公開されています。同展覧会で上映されている特撮短編映画「巨神兵東京に現る」は、映画「エヴァンゲリヲン劇場版:Q」の公開時に前座として上映されました。

 「エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵」と庵野さんが公言しているように、巨神兵は思い入れの深いキャラクターのよう。「風の谷のナウシカ」制作当時、庵野さんと宮崎駿監督の出会いはどのようなものだったのでしょうか。そのときの様子が『ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ』に収録されています。

 もともと、宮崎駿監督のファンだったという庵野さん。「どうしてもナウシカをやりたい!」と、知りあいづてに宮崎監督を紹介してもらい、オーディションを受けて見事合格。当初は前半の空中戦シーンを担当するはずだったそうです。

 「(略)巨神兵のシーンをだれもやりたがらないっていうんでやってみないかという話になりまして、やらせていただけるならなんでもやりますって感じで(笑)。宮崎さんは話術がうまいからいかにもおもしろそうに話すんですよ。まずレイアウト用紙にイメージイラストを描いて見せられて『巨神兵がドロドロと溶けながらゆっくり動きつつ、あちこちから煙のような蒸気を出して二回ほど光線を吐く! バクハツもある!!』って、話だけ聞くと非常におもしろそうなんですね。で、やってみてから初めて『こ、こんなに大変なカットだったのか!』ってね(笑)」

 制作が一筋縄ではいかなかった様子が、庵野監督の言葉の端々から伝わってきます。1984年に行われたこのインタビューでは、宮崎監督に対し「もう一度お仕事したいですね」と振り返る一幕も。それが約30年の歳月を経て、まさか声優という形で実現するとは、誰が予想したでしょうか。



『ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ (文春ジブリ文庫)』
 著者:
 出版社:文藝春秋
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