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香川・高松からフェリーに揺られ、約一時間。直島で私たちを迎えてくれるのは、草間彌生の作品「赤かぼちゃ」。そのカラフルさと対照的に、SANAAが手掛けるミニマルでモダンな宮浦港フェリーターミナル。船を降りれば、ここが運命のアート作品に出会える島、直島。まずは、アーティストが古い家屋や神社などを改築して制作した作品「家プロジェクト」がある本村地区へ。





普段、美術作品に触れるといえば、美術館に行って作品を鑑賞するというスタイルが圧倒的に多い。体験型のインスタレーション作品といっても、美術館やギャラリーといった、既に構成された空間に設置されている。しかし、ここ直島では、人々の生活空間に現代美術の作品が融合している。消え行く記憶としての古民家、あるいは神社仏閣。それをアーティスト達の想像力/創造力と掛け合わせることで、非常にパワフルな空間を出現させた。"ここでしかありえないアート”、それが「家プロジェクト」。ここで永久展示・公開されているのは、計7ヵ所。杉本博司作「護王神社」、安藤忠雄が設計し、ジェームズ・タレルが人間の五感に直接問いかけるような作品に昇華させた「南寺」、千住博の「ウォーターフォール」シリーズがある「石橋」、宮島達男の幻想的なLED作品「角屋」、須田悦弘の日本的でオーガニックなミニマリズムを表現した「碁会所」、そして大竹伸朗の「はいしゃ」。どれも、元の空間が持つパワーを、アーティスト達がその霊感で更に強めたような、思わず息を呑む空間となっている。


瀬戸内海に浮かぶ島に美術館を設置するという試みで1992年に設立された、「ベネッセハウス」のミュージアム棟。入場してすぐに目にはいるのは、ブルース・ナウマンのネオン作品「100生きて死ね」、思わず本物かと思ってしまう、コンクリートの隙間に設置された須田悦弘の木彫り「雑草」、またリチャード・ロングによる故郷のイギリス・ブリストルを流れるエイヴォン川から運んだ泥で制作された作品など。それらが安藤忠雄によるそれ自体が作品である空間に、アーティスト自身の手によって設置されている。



そして、2004年にオープンした「地中美術館」。ここで展示されているのはモネの「睡蓮」のほか、アメリカの現代美術家ジェームズ・タレルとウォルター・デ・マリアの作品のみ。この美術館においては、作品を鑑賞するのではなく、「体感」するという言葉が相応しい。安藤忠雄のドラマチックな空間作りによって、完全なる非日常の意識から作品を体験することができる特別な場所となっている。
(text/akira kuroda、photockawakami shu remy)



INFO:
■ベネッセハウス
(宿泊、各種予約、団体受付に関するお問い合わせ)
香川県香川郡直島町琴弾地(ごたんじ)
Tel:087-892-2030
http://www.benesse-artsite.jp/index.html

■地中美術館
香川県香川郡直島町3449-1
Tel:087-892-3755
http://www.benesse-artsite.jp/chichu/
photoc藤塚光政