ジム・ジャームッシュの新作はバンパイア映画

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第66回カンヌ映画祭も最後の週末を迎えた5月25日、ぎりぎりになってコンペティションに追加されたジム・ジャームッシュの新作「Only Lovers Left Alive」が上映された。

ジャームッシュが7年も温めていたというバンパイア映画は、昨今のバンパイア・ブームに乗ったジャンル映画とは一線を画す、メランコリックでムーディな作品。トム・ヒドルトン扮する厭世的なロック・ミュージシャン、アダムと恋人イブ(ティルダ・スウィントン)のバンパイア・カップルのボヘミアン的夜行生活を、デトロイトとタンジールを舞台に、ときにユーモアを込めて綴る。

ヒドルトンのインテリ・ロックンローラーぶりも魅力的だが、男優陣で人気を博したのはアルノー・デ・パリエールの「Michael Kohlhaas」に主演したマッツ・ミケルセンだ。中世を舞台にした作品自体はオーソドックスで評価はそこそこであるものの、ミケルセンの見せ場が多く、彼の魅力が映画をけん引していると評判に。その2日前に上映された、ニコラス・ウィンディング・レフン(「ドライヴ」)の新作「Only God Forgives」でのライアン・ゴズリングの出番が意外に少なかったこともあり、人気としてはむしろミケルセンに軍配が上がった印象がある。

もっとも男優賞候補には、アレクサンダー・ペインの「Nebraska」で久々に主役を演じたベテラン、ブルース・ダーンの方が近いだろう。老齢を迎え家族も手を焼く父親(B・ダーン)とその息子が旅に出るロードムービーをエモーショナルに描き、プレス・公式上映ともに大きな拍手に包まれた。ダーンと、スティーブン・ソダーバーグ監督作に主演したマイケル・ダグラスが、男優賞では火花を散らしそうな勢いだ。(佐藤久理子)

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