吉田恵輔監督の話に聞き入る堀北真希

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俊英・吉田恵輔監督が堀北真希を主演に迎えた最新作「麦子さんと」の撮影は、山梨・都留市を中心に行われた。映画.comでは、吉田監督が醸し出すフランクな空気感のもと、市内の公園や歩道で行われた現場を独占取材した。

声優志望の少女・麦子(堀北)のもとに、幼い自分と兄(松田龍平)を捨てたきり音信不通だった母親・彩子(余貴美子)が突然戻ってくる。麦子は彩子に反感を抱きながらも、病気を隠していた母がほどなくして亡くなると、やがて心の奥底でくすぶっていた本当の気持ちに気づいていく。

「純喫茶磯辺」(08)や「ばしゃ馬さんとビッグマウス」(今秋公開)など、意欲的にオリジナル作品を発表し続けてきた吉田監督は、「『なま夏』という自主映画を作った後、これをやりたかったけど、当時の自分には規模が大きすぎると思った。さらに脚本開発中に映画会社が倒産してしまった。一緒に組んでいたプロデューサーと『いつかやろう!』と言いながら、その環境を待っていた」と、実現までに7年を費やした念願の企画に思い入れもひとしお。吉田監督自身、母親を亡くしたばかりだといい「口下手で迷惑もかけて、だから映画で気持ちを見せようと。なのに、クランクイン2週間くらい前に母親が亡くなっちゃって、実は今“リアル麦子さん”状態。そのおかげというのは変だけど、自分の中にリアリティはある。ぼく自身、家族に対するよく分かっていない部分を映画でなら吐き出せると思った」と胸中を明かした。

この日は、母親の故郷を訪れた麦子が母の青春時代の友人・ミチル(麻生祐未)と、公園でたい焼きを頬張りながら語らうシーンを撮影。吉田監督の熱烈なオファーが実を結び、「白夜行」以来約2年ぶりの単独主演となる堀北とのタッグが実現した。

「ふだん彼女が見せない面を見たかった。彼女が持ってきてくれるものをうまく切り取ろうという発想。そうさせようというより、彼女ならどうやるかなというのをひとりのお客さんとして、ぼくも見ている感じ。基本的には終始かわいいけど、ヒロインとして捉えている感じはない。それは恋愛目線で撮ろうという気がないからで、母親への愛なのでいわゆる“ラブ”とは感覚が違う」

また、「龍平君は『悪夢探偵』で一緒に仕事をしたけど、相変わらず何をやっても面白い。堀北さんと兄妹役だと美男美女になっちゃうかなと思ったけど、想像以上に雰囲気が合っている」と手放しで称賛する。

これまでダメ男の生態や危うい三角関係を微細なトーンで描いてきた吉田監督だが、「ずっと四畳半くらいの狭い世界を描いてきたから、今回みたいに大きなお祭りのシーンとか出てくると、『これが俺のスケールか?』って緊張も正直ある(笑)。だから今回は自分がふだん書かないようなことも書いて、『メジャーもできるんだぜ!』って世の中にアピールしようかと思っている。やればできるんだぜっていうところを見せたかった」と意気込む。そして、「目指しているところは、ギャグを踏まえた『愛を乞うひと』。もしくは『マレーナ』。麦子が母親を亡くした喪失感に気づくまでの物語を描きたい」と、新たな“吉田節”が期待できそうだ。

「麦子さんと」は、今秋に全国で公開。

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