不倫する女性の本当の理由「父親の代役を探している」「ストックホルム・シンドローム」

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相手が所帯持ちと知りつつも恋に落ちてゆく不倫。包容力や人生経験から年の離れた男性を選ぶのは結構だが、大抵は「父性」を求めているだけだ。

愛してくれない父親は、娘にとって強盗にすぎない。父親に不満を抱いたまま大人になると、愛と埋め合わせを混同し不倫に走る。さらに発展すると金銭までからみ、援助交際がスタートしてしまうのだ。

■愛してるけど満たされない

不倫は一夫一婦制度にまつわる言葉で、伴侶以外との恋愛を意味する。さまざまあるが、ここでは未婚女性と既婚男性に絞って説明したい。

このパターンの主人公は、ほとんどがファザコン娘だ。父に愛されたい気持ちが原動力となり、面影を追ってナイスなミドルをチョイス(?)してしまう。

幼少期に生まれた本能的な選択だから、冷静に相手を値ぶみできるはずもない。残念ながらたいがいは成功せず、泥沼の結末を迎えるのだが、原因は明白で、「求めているもの」と「選んだもの」が違うからだ。

ポイントは3つで、まず1つは父親の代役を探しているだけで、相手を本当に愛していない点。2つめは自分が求めているのは父性だと理解していないこと。そして最後は、これらすべてを冷静に把握できていない点だ。

ある高級スポーツカーの購入者は、驚くことに初老の男性が大半を占めるという。550馬力もあるので乗りこなせるとは思えないのだが、かつての高嶺の花を手に入れることに意味があるのだろう。

長年のあこがれというよりも、若かりしころに買えなかったことの「埋め合わせ」のケースも多い。同様に年の離れた彼氏と付き合って子供扱いされることは、ある意味で埋め合わせだろうが、わが子として扱われるのは別次元だから、満たされるはずがないのだ。

■愛してるならカネをくれ?

精神医学でストックホルム症候群という言葉がある。これは実際に起きた銀行強盗事件がモデルで、立てこもりが続くうちに、こともあろうに人質が犯人に好意を寄せた現象だ。岩月謙二・理学博士の著書では同様のことが家庭でも起き、家庭内ストックホルム・シンドロームと呼ばれているのだ。

元祖ストックホルム症候群では人質と犯人には共通の目的があり、それは無事に脱出することだ。

しかしとらわれの身である人質は犯人に協力する以外にすべがなく、逆らえばケガをするし、犯人が無事逃走すれば自分たちが解放されることを感じ取る。

怖い相手の無事を祈る状態だ。そんな不思議な関係が続くと、敵対は好意へと変わる。共感や同情も含まれるものの、その方が助かる率がアップするのを本能的に感じるからだ。

家庭でも同様で、自分を愛してくれない親に不満/憎しみを感じつつも、見捨てられたらどうしようかと恐怖心が芽生える。そこで嫌いな親でも、取り入れれば生存の保障を得るのでは?と「取引」を試みる。親が気に入る「良い子」を演じるのだ。

親の期待に応えようとするのはどんな子供にも見られるが、家庭内ストックホルム・シンドロームは生活保障を求めた取引だから、子に多大なストレスを与えることになる。

さらにダメ父さんが「誰のおかげでメシが食える!」なんて言おうものなら最悪だ。父、権力、お金、生活が同一視され、愛=お金の誤解が生じ、援助交際に発展してしまうのだ。

援助交際では、お金をもらえること、支払われる額が「愛されている度」に置き換えられるケースが多い。自分の要求に応じてくれるのか、Yesなら自分につけられた金額で愛を計ろうとするのだ。

お金に限らず何かもらえるのは、うれしいに決まっている。ただし愛の代品にすぎないから、いくらもらっても満足しない。焼きそばが食べたいのにスパゲティを買ってくるようなものだから、どんなに高級でも満たされるはずがないのだ。

■まとめ

「三つ子の魂百まで」の三つ子は、人数ではなく三歳を表す。言い換えれば、人間の性格は三歳までに決まり百歳になっても変わらない、の意味だ。

コンプレックスを持たないひとはいない。満たされない自分と相談し、何が欲しいのか冷静に見極めるのがスタート地点になるだろう。

(関口 寿/ガリレオワークス)