みうらじゅん「初の仏像フィギュア監修」を語る

 みうらじゅんさん監修の仏像が、5月24日にハイセンス仏像ブランド・イSム(イスム)より発売されました。ミスター仏像・みうらさんが選んだのは、鳥取県三徳山三彿寺の「蔵王権現(ざおうごんげん)」。凄まじい怒りの形相をした仏像です。前回の記事「5分で仏女になれる超カンタン仏像入門(http://joshi-spa.jp/12862)」では“怒っている仏像=明王”と書きましたが、蔵王権現はプンプン怒っているにも関わらず「その他」に分類されます。

◆レアキャラ仏像「蔵王権現」

 蔵王権現(※)は“レアキャラ”です。基本的に仏像はインドに由来しています(インド人のゴータマ・シッダールタさんが悟りを開いて仏になりました)が、神(日本由来)が仏(インド由来)の姿を借りて現れたのが蔵王権現です。「神仏習合」と呼ばれる思想に基づいた日本独自の存在なのです。

※画像はこちら http://joshi-spa.jp/?attachment_id=14392

 奈良時代、役行者(えんのぎょうじゃ)という呪術者が山に篭って「こんな世の中じゃポイズン」と守護神を求めて祈ったところ、蔵王権現が現れました。(山に登って祈れば神サマが現れる……!)そんな希望を抱いた私は、羽田から鳥取へ飛び立ちました。

◆記者、三徳山に登る。

「山岳修行による超自然の獲得に基づいた宗教」を修験道(しゅげんどう)といいます。あくまで修行なので、パンプスで高尾山に登るのとはワケが違います。草履を履いて険しい岩山を登りながら、大げさでなく死を覚悟しました。(死ぬ……死ぬ……きっと死ぬ……)と心の中でつぶやきながら一歩一歩、進んでいくと、ついにウワサの投入堂が!

⇒【写真】http://joshi-spa.jp/?attachment_id=14419

 絶壁の空洞に「スポっ」と収まっているその外観は、まさに超自然! でも不思議とどこか可愛らしい! シルバニアファミリーのお家みたい! これぞ神秘! ガイドブックには「投入堂を拝むと人生観が変わる」と書いてあります。……人生観、変わった気がする! 神サマ、ゲット!

◆みうらじゅんさんインタビュー

 東京へ帰ってきて、みうらじゅんさんの事務所を訪ねました。応接室に現れたみうらさんを一目見て、(役行者にちょっと似ている!)気がしたことはさておき、後光のようなオーラに圧倒されつつ取材が始まりました。

――監修に当たって、なぜ三彿寺の蔵王権現像を選んだんですか?

「子供の頃から好きだったし、何よりもお寺の許可が下りたことが大きかったですね。そもそも多くの仏像フィギュアって、アーティスト非公認グッズなんですよ。武道館の脇で売ってるようなやつ。この蔵王権現は日本で初めての公認フィギュアじゃないですかね。ここまで本物そっくりにできるとはねぇ」

――蔵王権現の魅力はどこでしょうか?

「不自然なまでのバランス感ですね。このポーズ、やってみたけど出来ないですよ(笑)。右手と右足をこんなに上げてね。山で何十年も修行しないとムリでしょう。体はね、金剛力士の筋肉隆々な感じとは違う。金剛力士の体はプロテイン入ってますけど、蔵王権現は山で自然に作られた肉体だと思うんですよ」

――蔵王権現って、あまり見たことがない仏像な気がします

「国宝や重文に指定されてるものも少ないしね。アウトローですよね。こういうフィギュアを家に置く人って、秘めたるパワーありですよね。弥勒菩薩を置いてる人とはちょっと違う。なんか聞くのも憚るような理由がありそうな気がするでしょ。かなりのマニア仕様ですよね」

――みうらさんが三徳山に登った時のことを教えてください

「まだ小学校低学年だったけど、全然つらくなかったですね。子供はつらくないですよ、絶倫だもの(笑)。歳とってから登るのはキツイでしょ。みなさんも若いうちに登られることをお推めします」