(左より)作品テーマを語り合った町山氏とプラサード・バクレ氏

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インド映画史上歴代興行収入No.1のヒューマンコメディ「きっと、うまくいく」(公開中)の大ヒットを記念し5月23日、東京・シネマート新宿で、映画評論家の町山智浩氏とネルー大学を卒業して現在は日本のIT企業に勤務するプラサード・バクレ氏によるトークショーが行なわれた。

工科大学に学ぶ“3バカ”たちの友情を娯楽性たっぷりに描きながら、インドの教育問題や社会問題が埋め込まれている同作にちなみ、バクレ氏の経験に基づいたインドの学歴社会の実情が赤裸々に語られた。

「インドの工科大学は世界的にすごい。この大学に落ちて、“しょうがない”から(アメリカの)マサチューセッツ大学に行く、という感じですよね」と町山氏が問えば、「そうですね。非常に競争率が高い。50万人中1万人しか受からないんです」と答えるバクレ氏。そして、50倍という競争率をくぐり抜けても、「大学の中でも競争しなければならないんです。ずっと」と、劇中でも描かれているインドの学歴社会の厳しさを明かした。

また、そうした勉強のプレッシャーが学生を死に追いやる実情も。「若い人の自殺は全体の4割くらい。非常に多いです」と、劇中でも描かれる若年層の自殺率の高さを示し、「(自殺は宗教的に)許されていません。自殺未遂した人はまず病院に運ばれますが、その次に逮捕されるんですよ」という事実を明かす。これには町山氏も「ええ! 自殺未遂は犯罪なんですか!?」と驚き、客席も大きくざわついた。

だが「きっと、うまくいく」は、そうした悲劇を織り込みながらも、熱い友情と底抜けの明るさで見る者を大きな笑いと感動に包む。同作の魅力を聞かれた町山氏は、「『Aal Izz Well(アール イズ ウェル)』と歌って踊るところですよね。これはタイトルにもなっている『きっと、うまくいく』という意味なんですが、これの何がすごいかって、日本にもあるんですよ! 植木等さんが(楽曲『だまって俺について来い』の歌詞)『そのうちなんとか、なーるだろうー!』と(出演作で)歌って踊っているんですよね。日本でやっていたことを、何10年後かにまたインドでやっているっていうのがスゴイですよ」と解説。44歳で大学生を演じたインドの大スター、アーミル・カーンとも比較し、「植木さんも、中年なのに大学生を演じていましたしね」とトークショーを締めくくった。

「きっと、うまくいく」は現在公開中。

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