『セレステ∞ジェシー』の脚本と主演を務めたラシダ・ジョーンズ

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女優、モデル、ミュージシャン、トレンドセッターとして八面六臂に活躍するラシダ・ジョーンズが、主演映画『セレステ∞ジェシー』(5月25日公開)を引っさげて来日。自ら脚本を手掛けた本作は、男と女の永遠の関係性を問う、ちょっぴりビターなラブコメディだ。ラシダにインタビューし、本作の撮影秘話や恋愛観について聞いた。

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ラシダ扮するキャリアウーマンのセレステと、うだつの上がらないアーティストのジェシー。ふたりは音楽や色の好み、ノリの良さもぴったりの夫婦だが、セレステは「永遠に親友でいたい」と離婚を切り出すものの、ふたりはなかなか別れることができない。ラシダと共同脚本を手掛けたのが、彼女と以前に交際していたウィル・マコーミックという点が気になるが、どんなふうに脚本を進めていったのか。「ふたりの関係を書いたのではなく、お互いに面白いエピソードを出し合って作っていったの。締め切りがあったわけでもないから、プレッシャーが少ないなかで作業をやることができたわ」。

演じたセレステ像についてはこう分析する。「セレステは自立していて、自分のことをはっきりとわかっているつもりで自分らしい人生設計を立てるんだけど、それがある意味、自分を守るための防御システムみたいになってしまう。彼女は常に何もかもコントロールしないと気が済まないけど、人生には突然のサプライズが付きものでしょ。そうすると、彼女は自分自身を制御できなくなってしまうのよ」。

セレステがジェシーの家へ行き、家のゴミ箱に落ちてしまったブレスレットを拾おうとして、ゴミ箱ごとひっくり返るシーンは失笑ものだ。あのシーンは、もしかして実体験?と聞いてみると、「NO!」と苦笑い。「ただ、ゴミ箱を漁ろうかと思ったことって、なくはないわね」。また、セレステとジェシーが、ヤングコーンを手にマスタベーション風の喘ぎ声を出し合うという身も蓋もないシーンが爆笑ものだ。ラシダは「あれは、ウィルと市場でヤングコーンを見つけた時、自然に遊び始めちゃったのよ」と笑う。「人から見れば『何をやってるの、あなたたち!?』と思われるだろうけど、下品すぎないから良いでしょ(笑)」。

別れたはずなのに、お互いに踏ん切りがつかないふたり。ジェシーの「ルール破りだけど、君にすごく会いたい」というセリフが心に刺さる。ラシダもそのシーンについて「一番辛くて、痛いシーンね」とうなずく。「きっと、みんな経験したことがあるでしょ。恋人と別れた後、やっと新しい彼を見つけ、前に一歩進めるかなって時に、なぜか元彼がそれを察知し、連絡を取ってくる。私自身もそういう優柔不断さや、宙ぶらりんの関係性は嫌だけど、男女の恋愛なんてそういうものじゃないかしら。好きな人と別れるのはすごく時間がかかる。もしかして、やり直せるんじゃないかという時期を経て、そこからゆっくりと別れていく。私自身は、長い時で10年もかかったわ。人生ってやっぱりグレーだから」。

リアルに綴られた人間模様は、彼女自身の体験をも反映しているからこそ説得力がある。本作は「逆境の中から生まれたもの」だという。「女優をしていても、やりたいような役をオファーされるわけじゃないし、脚本も8歳の頃から書きたいと思っていたけど、今まで未完で完成したことがなかったわ。脚本家としても、女優としても、自信が揺らいでいる時期にこの脚本を書くことができたわけ。今思えば、書くことが自分を癒し、成長させてくれたと思うわ」。

最後に、今を輝いて生きる秘訣についてラシダに聞いてみた。「私は、人生って自分自身では全くコントロールできないという意識を常に持つようにしているわ。幸い、私の親は愛情深く、誠実な人たちで、常に自分のハートに正直に生きなさい、たゆまぬ努力をするように、と言われ続けてきたの。だから正直、自分でも努力家だと思うし、いろんなものに対する好奇心を持っているタイプよ」。

まるでひまわりのように周りをぱっと明るくするような笑顔が印象的のラシダ。朗らかでバイタリティあふれる人柄は、人を惹きつけてやまない。そんな彼女が綴った等身大のラブストーリー『セレステ∞ジェシー』は、見終わった後、恋愛談義に花を咲かせたくなること間違いなし!【取材・文/山崎伸子】