訪問先で出されたお茶は、いつ飲むのがベスト?

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取引先で出されたお茶は、どのタイミングで飲むのがよいのでしょうか。手をつけないのは失礼だけど、打ち合わせの途中で飲むのも気が引けます。とはいえ、時間が経てばお茶は冷めてしまう……。一体どうしたらいいの!?

そこで、相手に好感を与えるお茶の飲み方について、マナーの専門家、尾川和世さんに取材。ビジネスマナー本には載っていない「阿吽の呼吸」を教えてもらいました。

――訪問先で出されたお茶は、飲んだ方がよいのですか?

「先方が出してくれているのですから、当然、いただきましょう。飲まないで帰ってしまうと、相手は何で飲まなかったんだろうなと感じると思いますよ」

――どのタイミングで飲めばよいのですか?

「基本的には温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちにいただくのが、おもてなしを受ける側のマナーです。相手が『どうぞ』と声をかけてくれたら、とりあえずひと口飲むと、あとがスムーズだと思います」

――声をかけてくれなかったら、どうすればよいのでしょうか?

「よほど深刻な話はしている場合は別ですが、そうでない限りは『いただきます』と言って、ひと口飲まれてはどうでしょう」

――勧められていないのに、自分から飲むのはずうずうしい気がしてしまうのですが……。

「相手は厚意でお茶を出してくれているので、その心配はないと思いますよ。それに『大胆なヤツだな』という印象を与えたとしても、せいぜいマイナス5点です。しかし、そのまま飲むタイミングを失うと、マイナス100点になりかねません」

――もし、自分には飲めない種類の飲み物を出されたときはどうすればよいのですか?

「体質上、どうしてもいただけない場合は、『どうぞ』と勧められた時点で申告しましょう。言いにくいかもしれませんが、そのまま飲まずに帰ったら、印象が悪くなります。何とか飲めるようでしたら、少しいただいて残されるのが良いでしょう」

――その瞬間の「どうぞ」という一言をリスペクトをすることが肝要なのですね。

「はい。また、相手は『どうぞ』と一度言ったら、何度も言いませんよ。変な遠慮をして飲むタイミングを失うと、後で気まずくなる可能性があります。素直に厚意は受けましょう」

――最後には、お茶は全部飲みきった方がよいのでしょうか?

「はい。その方がよいと思います。会議などが長引き、喉が渇いたり、せきが出た時のことを考慮して、一口残しておくのも賢明ですね」

――なるほど、深いですね。出されたお茶菓子は食べた方がよいのでしょうか?

「その場の空気によると思います。食べられなかった場合、和菓子ですと、お懐紙に包んでお持ち帰りするのが一般的です。ただ、小袋入りのクッキーなどは、相手に勧められなければ、持ち帰らない方がよいでしょう」

――上司と一緒に訪問している場合、上司が飲まなかったとしても、自分はお茶を飲んだ方がよいのでしょうか?

「その場合は、ご自分もお茶を飲まれない方が無難だと思います。場にいる全員がマナーをわかっていればよいのですが……。現実はそうとも限りません。そして、相手に応じて、臨機応変に対応するのもマナーなのです」

――勉強になりました。

「お茶をごちそうになったら、帰り際にひと言『ごちそうさまでした』と添えるのも忘れないでくださいね」

はい、気をつけます。尾川さん、どうもありがとうございました!

取材協力:尾川和世さん

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(OFFICE-SANGA 臼村さおり)