「ラーメン屋の麺の原価は1玉40〜50円」──そんな情報がネットなどで氾濫しているが、原材料原価だけではビジネスの全貌は見えてこない。原価とともに「利益の構造」を追った。

 一般的にラーメンなど外食産業の原価率(価格に占める原材料費の割合)は30%が目安と言われる。
 
 有名店の一杯900円のラーメンを例にとると、原材料費の内訳は麺50円、スープ30円、チャーシュー60円、角煮90円。その他ネギ、海苔、味付け卵などで計250円(原価率約28%)。粗利は650円となるが、それが儲けになる訳ではない。
 
 家賃や光熱水費180円(20%)、人件費315円(35%)などを引くと利益は155円(17%強)ほどだ。月に25日営業し、1日200杯売れば約77万円の儲け。1日200杯と言えば席数15席なら1日13回転が必要で、よほどの人気店でなければ達成は難しい。
 
 客の心理まで織り込んだ戦略で利益を出すパターンもある。その代表例が270円や290円などの低価格均一居酒屋だ。客は均一価格の安心感からどんどん注文する。結果、商品ごとに異なる原価率(ビールは50%、サワーなら10%。焼き鳥はモモが一番高く30%、皮やハツが7%程度)を均(なら)すことができる。
 
 タッチパネル式の端末注文でホール人員を減らし、調理は下ごしらえ済みの材料を仕入れるなど簡略化。極力、調理人を使わない。客単価は2000円程度と安くても、営業利益率10%を確保できる。
 
 このように、「価格」にはそれぞれ深い理由がある。

※SAPIO2013年6月号