クライブ・オーウェン、マリオン・コティヤールらギョーム・カネ監督「Blood Ties」キャスト陣写真:KCS/アフロ

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カンヌ映画祭も中盤を迎え、さらに話題作が並んだ。前半はフランソワ・オゾンの「Young & Beautiful」、アルノー・デプレシャンの「Jimmy P.」、またアウト・オブ・コンペティションのギョーム・カネの監督作「Blood Ties」といったフランス勢が揃った。このうちオゾンの作品は、17歳の少女の自主的な売春行為をテーマに、思春期の不安定な内面をえぐり出したフランス映画らしい内容だが、デプレシャンとカネの作品はともにアメリカを舞台にしているのが面白い。

「Jimmy P.」は第2次大戦直後を舞台に、実在のネイティブ・アメリカンのサイコセラピストとして知られたジョルジュ・ドゥブルーと、トラウマに悩むジミー(ベニチオ・デル・トロ)が、精神分析のセッションを重ねながらも友情を育んで行くさまを描く。アメリカ的な広大さを感じさせる映像のなかで、デプレシャンらしい繊細なセリフのやりとりとともに、当時の差別的な社会状況を浮き彫りにした力作だ。

「Blood Ties」はカネとジェームズ・グレイとの共同脚本をもとに、1970年代のニューヨークを舞台にしたドラマ。家族の絆、嫉妬、欲望などこれまでのグレイ作品にも共通するテーマを、クライブ・オーウェン、マリオン・コティヤール、ミラ・クニス、ジェームズ・カーンら贅沢なキャストで見せる。グレイは映画祭後半に、自身の監督作「The Immigrant」の上映が待機しており、こちらも楽しみである。

売れないフォーク・シンガーのとほほな人生を描いたコーエン兄弟の「Inside Llewyn Davis」も、異色作として話題になった。オスカー・アイザックが意外なミュージシャンぶりを発揮する他、キャリー・マリガン、ジャスティン・ティンバーレイク、ギャレット・ヘドランド、ジョン・グッドマンらが、脇を固める。コメディというよりはビター・スウィートなドラマといった方が相応しい。

この後にもスティーブン・ソダーバーグ、アレクサンダー・ペイン、ジム・ジャームッシュなど、まだまだ実力派が待機しているだけに、今年のカンヌの賞レースはかなり混戦模様になりそうだ。(佐藤久理子)

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