これが相手をとりこにする話し方だ

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ホストやキャバクラなど、夜の世界では色仕掛けを使った営業のことを「イロコイ」と言うそうです。こういった手法は疑似恋愛的な意味合いが強いからこそ通用すると思われがちですが、実は、疑似恋愛をウリにした夜の世界とは無関係である職場でも使えるテクニックなのです。いわゆる「枕営業」と呼ばれる肉体による直接的なアプローチではなく、性的なニュアンスを含ませた営業テクニックがあります。

例えば、女性から「あなたとしたい」と言われたら……男性なら、まず間違いなくドキドキしてしまいます。ドキドキしているときには、心のガードがゆるんで、いろいろなことを受け容れやすくなっています。さらに、仕事というセクシーさとは無関係の場で、一方的に相手に対して性的なイメージを持っていると、相手に軽い罪悪感・後ろめたさを感じて「悟られたくない」と怯んでしまうもの。そのため、相手の押しに弱くなりやすいのです。これは相手を混乱させて隙をつくる・その隙に入り込むテクニックと言えます。

価格や商品にそれほど違いがないのであれば、契約の決め手は、「セールスマンに対する印象」になったりもします。それが性的な魅力であっても、そうではなくても、相手にとって「好ましいと感じられる」ということは、営業するうえで大切なことです。

ただし、これはあくまでも「ふんわり」イメージさせることが大切です。「もしかしたら一晩付き合ってくれるかも?」と思われるほど直接的なイメージを与えるのは、周囲から見てもNGですし、相手によっては嫌悪感を与えてしまうものです。実践する本人も対応に困ってしまうでしょう。会社や本人のイメージのためにも、相手に拒絶されないためにも、「ふんわり」したイメージを与えることが重要なのです。

■少し挑発的に「したい」

では具体的に、どういった仕草や言葉を使えばいいのでしょうか? ここでは選ぶ言葉やトーン、言葉の区切り、視線の動きが重要になります。

セクシーな言葉はたくさんありますが、例えば「好き」という言葉を使うときに、相手に視線をロックして少しはっきり言うとドキドキさせることができますね。「好き」の部分だけ少し区切ると効果的です。話の中に「ぞくぞくする」「ドキドキする」「気持ちいい」などの言葉もちりばめられれば、かなり効果的。少し挑発的に「したい」と言うのもよいでしょう。

軽い行動で言えば、「相手の目を見つめてにっこり笑う」というもの。3秒ほどじっと見つめられて微笑みかけられると、あまり意識していない相手でも少しどきっとしてしまうものですし、意味深に感じられて、いろいろと想像を膨らませてしまいやすいのです。

言葉だけで色っぽいイメージをつくろうとすると難しくなってしまいますが、「視線をロックする」「口調を少しだけ強める」「タイミングよく区切る」というポイントを押さえると、かなり相手の印象に残りやすくなるでしょう。

このように、相手に対して肉体的に迫るというのではなく、ただ自分を異性として意識させる、少しどきっとさせるだけで、格段に交渉しやすくなるのです。

ドキドキしてぼーっとしてしまったり、相手の言葉を意識していろいろと考えたり、自分をなんとか取り繕っているうちに、なんとなく契約してしまった、いつの間にか契約していた……なんてことは、案外少なくありません。

相手をどきっとさせることができればいいのです。その一瞬の隙にあなたの存在を滑り込ませましょう。もちろん、相手を意のままに……というわけではありませんし、自分の利益だけを考えてコントロールしようとする気持ちが強ければ、かえって警戒心を強めさせてしまう可能性もあります。

しかし、一度相手のガードをゆるめて心の中に入ってしまえば、スムーズに交渉を進めることができるのです。

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ゆうメンタルクリニック総院長 ゆうきゆう
東京大学医学部卒業後、精神科医。『マンガで分かる心療内科』(ヤングキングコミックス)原作者。著書に『相手の心をさりげなくつかむ!心理術』など多数。

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(ゆうメンタルクリニック総院長 ゆうきゆう)