福山雅治が“穏やか”初カンヌ、「そして父になる」公式記者会見。

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是枝裕和監督×福山雅治主演のタッグで話題の映画「そして父になる」。その出演者・監督が5月18日(現地時間)、フランス・カンヌで開催中の第66回カンヌ国際映画祭での記者会見に出席した。

この日の会見に出席したのは、是枝監督、福山、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキーら計7人。あいにくの打ち付ける雨と冷たい風の中ではあったが、白いジャケットとスーツという爽やかな出で立ちで登場した福山をはじめ、7人は世界から集まった総計50台以上のスチールカメラマンたちに笑顔で応えながら会場入りした。

是枝監督は今回の作品について「自分の作品が全て家族をとらえているわけではないけれど、両親が亡くなり、子供も生まれて、自分のあり方を考えるにあたって、この作品は家族をテーマにして描いた」と説明。カンヌでは最高賞を競うコンペティション部門に出品されているが、「カンヌのような映画祭は、なかなか上映が終わるまで落ち着けないけれど、カンヌだからこそ、さまざまな方ともお会いできるし、お話できる。滞在中はできるだけ映画をめぐる豊かな時間を過ごしたいと思う」と、滞在中の過ごし方についても語った。

また、今作では子役も重要な役どころとなっているが、「子供たちにセリフを言わせたり、ここに感情をこめてといったシーンは基本的には作っていない。彼らは言ったことすら覚えていないかも。セリフを書いて渡したりもしない。オーディションする前はこういう子をとりたいと思ってから選ぶのではなく、会って、この子を獲りたいと思った子にお願いをする。その子たちの個性がよく出るように考えている」と、自然体を強調した。

本作で初めて父親約を演じている福山は「実際に自分は父になったことがないので、このお話をいただいた際に自分には似合わないのでは? 父には見えないのでは? と不安になり、監督と相談しましたが、この作品はまさにそういう作品だから撮影が進むにつれて少しずつ父に見えてくれば良いのでは、というお言葉をいただき、そのようなことを心において撮影に挑みました」と葛藤があったことを告白。

カンヌ国際映画祭への参加については「カンヌという土地は初めてです。朝から取材などスケジュールがたてこんでいる(苦笑)。日本だとイライラしちゃうスケジュールだけど、土地のせいか穏やかな気持ちでいられる。日本でもそうありたい(笑)」と会場を笑わせた。

撮影時、是枝監督の現場は「ライブと同じ。即興のものがそのまま映像におさめられている。現場で見た人でないとこの感覚だったりその凄さはわからないかも」と刺激的だったそうで、「是枝さんというのはすごい人だなと感じた」という。

6年ぶりのカンヌ国際映画祭参加となる尾野真千子は「カンヌは2度目。どんなに頑張って仕事をしていてもなかなかこれない場所。今回この作品でみんな一緒にここにこれたことを凄くうれしく思います」とコメント。

また、初参加の真木よう子は「カンヌに来られてワクワクして嬉しい! 今回はこういうところだというのを見て帰って、再び必ず訪れたい!」。

リリー・フランキーは「カンヌは思っていた以上に華やかで、いるだけで高揚する場所。ご飯に行って全員が帰ったあと、自分だけ残って飲んだ。眠れなかった。監督をはじめ、みんなでここに来られたことを嬉しく思う」とそれぞれ喜びを語った。

「そして父になる」は、学歴、仕事、家庭、自分の能力で全てを手にいれ、自分は人生の勝ち組だと信じて疑っていなかった男が主人公。ある日病院からの連絡で、6年間育てた息子は病院内で取り違えられた他人の夫婦の子どもだったことが判明する。血か、愛した時間か―突き付けられる究極の選択を迫られる二つの家族。今この時代に、愛、絆、家族とは何かを問う――。

映画「そして父になる」は10月5日(土)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー。