ソフィア・コッポラ新作「The Bling Ring」キャスト陣Photo by George Pimentel/WireImage

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カンヌ映画祭で現地時間の5月16日、「ある視点」部門のオープニングを飾るソフィア・コッポラの新作「The Bling Ring」が上映され、好評を博した。本作はロサンゼルスで実際に 起こった事件をもとに、ティーンエイジャーたちによる、有名人宅への空き巣ねらいを取り上げた物語。物欲に駆られ、高価なブランド品などを狙って無邪気に強盗を繰り返すフェイスブック世代の若者たちの心理を、M.I.A.やカニエ・ウェストなど旬なポップ・ミュージックをバックに用いながら描く。キャストはエマ・ワトソンの他はフレッシュな新人ばかり。実際に強盗に入られたパリス・ヒルトンの自宅がロケのひとつに使われていることでも注目を集めた。

かなり皮肉なユーモアも込められているが、記者会見でソフィア・コッポラは、「彼らをジャッジするつもりはなかったので、リサーチをすることによってまず彼らの心情を理解したかった。映画ではなにかしら共感できるところがあるように描いたつもり」と、語った。これまでのソフィア映画とはやや趣を異にしながらも、こだわりのディテールによってティーンたちの生活空間を作り出し、そのフィーリングを巧みにすくいとるところなどは、彼女らしい細やかな演出が冴えわたっている。ちなみにパリス・ヒルトンもカンヌ入りしたものの、今回は裏方に徹したのか、ほとんどお忍び状態だったらしい。

翌17日の夜には、「別離」でアカデミー賞の外国語映画賞に輝いたイランのアスガー・ファルハディ監督のコンペティション出品作「The Past」が上映された。「アーティスト」のベレニス・べジョと「予言者」のタハール・ラヒムを起用し、ファルハディ監督が初めてパリを舞台に描いたストーリー。妻との離婚を成立させるためパリを訪れた夫は、久々に我が子と対面すると同時に、妻の新たなボーイフレンドとその息子にも出会う。彼は妻への思いをいまだ断ち切れずにいたが、彼女と新しい彼のあいだも何やらうまくいっていない。「別離」同様、家族をテーマに、それぞれの立場から異なる思いを描き、複雑な人間模様を浮き彫りして、喝采を得た。

カンヌではこの後現地時間の19日夜に、同じく家族をテーマにした是枝裕和のコンペ参加作品、「そして父になる」が上映される予定だ。(佐藤久理子)

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